八条学園騒動記
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第六百五十話 終わってからその二
「よく寝たせいか」
「お酒飲んでなくて二日酔いでもなくて」
「皆動きいいからね」
「僕達にしてもね」
「だからね」
それでというのだ。
「テキパキ進んで」
「これは早く終わりそうだね」
「やっぱりあれよね」
カトリも言ってきた。
「後片付けは早く終わらせて」
「後の自由時間を満喫する」
「それがいいよね」
「そうよね、全部終わったら」
カトリはジョンとジョルジュに笑って話した。
「寝る?」
「お昼寝?」
「それするんだ」
「そうする?」
こう言うのだった。
「その後で」
「いや、それはね」
どうかとだ、ジョンがカトリに言葉を返した。
「ゆっくり寝たから」
「いいの」
「僕としてはね」
「とりあえず漫画読む?」
ジョルジュはこう提案した。
「そうしたらどうかな」
「漫画なのね」
「それを読んで」
そうしてというのだ。
「楽しめばよくない?」
「漫画ね」
「漫画図書館に行ってね」
校舎の中にあるそこのというのだ。
「そうする?」
「それもいいわね」
カトリはジョルジュのその提案に頷いた。
「漫画読むのも」
「そうだよね、空いた時間にね」
「実は最近恋愛ものにはまってるの」
「そうなんだ」
「高校生のね」
「それどんな漫画かな」
「恋と真実っていうね」
そのタイトルも話した。
「高校が舞台の作品だけれど」
「恋愛もので」
「もう凄く切ないのよ」
「そうした作品なんだ」
「ヒロインも男の子も相思相愛なのに」
それでもというのだ。
「中々一緒になれなくて」
「障害が多いんだ」
「ロミオとジュリエットみたいにね」
シェークスピアのこの作品のことも話した。
「対立する関係で周りもね」
「そんな風で」
「想い合っていても」
それでもというのだ。
「これがね」
「中々一緒になれないんだ」
「それがとてももどかしくて切なくて」
「カトリはまってるんだ」
「そうなの、早く一緒になって欲しいわ」
カトリは作業をしながら切実な声で言った。
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