ドリトル先生とめでたい幽霊
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第五幕その四
「しかもその時鯨を大幅に減らしたから」
「環境に影響を与えたね」
「そうしていたよ」
「日本では鯨を捕まえても食べるだけでなく」
「そう、それも全部食べてね」
鯨のあらゆる部分をというのです。
「骨も皮も利用するね」
「無駄なくね」
「けれど白鯨でどうして捕鯨をしていたか」
「あれは鯨油を取っていたんだ」
「そうだったね」
「そう、捕鯨はね」
まさにというのです。
「そうした国々のものはね」
「ただ油を取るだけで」
「それはそれでいいけれど」
それでもというのです。
「それだけだったから」
「日本の捕鯨とは違うね」
「本当に日本人は捕鯨で鯨を隅から隅まで使うから」
だからだというのです。
「いいと思うよ」
「そうだね」
「実際に捕鯨を一番反対しているのはオーストラリアだね」
「あそこが一番凄いね」
「鯨を取らないから」
だからだというのです。
「オーストラリア近海は鯨が増え過ぎてね」
「生態系が乱れているんだよね」
「鮫も増えてね」
「あの辺り只でさえ鮫が多いのにね」
「それで大変なことになっているんだ」
「そうなんだね」
「だからね」
このことから考えてもとです、先生はころを食べつつ言います、そうしながら日本酒をくいっと飲みます。
「日本の捕鯨はね」
「先生は賛成だね」
「むしろ今までがね」
「おかしいんだね」
「そうだよ」
こう言うのでした。
「僕が思うに」
「環境保護じゃないね」
「カルトめいた」
そうしたというのです。
「活動になっているよ」
「だから問題なんだね」
「うん、そうしたこともあるし」
「日本の捕鯨はだね」
「いいと思うよ」
「確かに美味しいですね」
執事さんもそのころを食べて笑顔で言います。
「鯨は」
「そうですよね」
「素敵な食べものです」
「全く以てですね」
「そう思います」
こう言うのでした。
「本当に」
「鯨が美味しく食べられてしかも環境保護になるなら」
王子もそのころを注文して言いました。
「問題なしだね」
「そうだね」
「僕もそう思うよ」
「それで織田作さんもだよ」
ここで先生はこの人のお話をしました。
「この関東煮をね」
「このお店でだね」
「食べていたんだ」
「そうだね」
「こうしてね」
「そう思うと感慨があるよね」
「本当にね」
先生は王子に笑顔で応えました。
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