| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十八話 入学式その十一

「人は罪は償えば消えるの」
「そうですか」
「というか何よその執念深い考え」
「実際執念深いですから」
「それでも限度があるでしょ」
 本当に冗談ではありません、その考えはあらためるべきだと思って言いました。
「じゃあ何?新一君私が止めないと先輩ずっと責めるつもりなの」
「そうしていました、それだけのことしましたから」
「責められる人の気持ちになってみなさい」
「なってです、そんなことしたことを一生後悔させてやる義務がありますから」
「そんな義務ないわよ、本当に先輩にはしないのよね」
「先輩に言われましたし」
「その先輩は私よね」
 このことはわかりました。
「私が言ってるのは長池先輩だけれど」
「あの人ですよね」
「ええ、私にとって長池先輩は本当に大切な人だから」
「尊敬されてますね」
「先輩みたいな人になりたいから」
 心からこう思っています。
「あんないい人いないし」
「僕とは全然違う見方ですね」
「新一君から見たら最低な人っていうのね」
「はい、残酷で」
「そう言う新一君も自分で残酷って言ってるわね」
「実際にそうですしね」
 否定しない返事でした。
「僕は」
「そう言うしね」
「はい、その僕が言うんですから」
「先輩は残酷な人なのね」
「よくそんなこと出来たって思います」
「今もそう思ってるのね」
「そうです、ですから僕あの人は今も嫌いで」
 私が言ったのできついことは言わなくてもというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧