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おぢばにおかえり

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第六十八話 入学式その七

「自分が邪険にして子供扱いしていなかったから」
「そう、悪い種を蒔いてね」
「それが実ったってことね」
「これも悪い種よ」
 自分の子供達の中で依怙贔屓にしたり邪険にしたりということもというのです。
「これはお勉強やスポーツの問題じゃないの」
「何かがよくて贔屓したら駄目ってことね」
「自分の子供であることに変わりはないでしょ」
「そうね、それじゃあ」
「何があってもね」
「贔屓は駄目なのね」
「そうよ、邪険にすることもね」
 どちらにしてもというのです。
「駄目なのよ」
「そういうことね」
「千里は元々公平な性格だけれど」
 それでもというのです。
「気をつけてね」
「将来は」
「ずっとね」
「うん、新一君みたいに」
 私が思うにです。
「ああした嫌いな相手を徹底的に嫌うとね」
「あの子は確かに好き嫌い激しいわね」
「自分の子供にもそうするのかしら」
 そう思うと新一君の将来が心配になりました。
「そうなったら親として失格だけれど」
「そうね、ただあの子は理由なく嫌わないから」
「それはね。先輩にもね」
 先輩の過去のことから嫌っているだけです、このことは私にもわかります。あの子の全力の否定はどうかと思っても。
「理由があってで」
「いるでしょ、長男だから甘やかしたりとか」
「頭がいいからという理由とかじゃね」
「碌な理由じゃないわね」
「ええ、そういえば」 
 今思い出したことです。 
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