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イベリス

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第三十八話 速水の占いはその八

「あらゆる国に」
「そうでしたね」
「革命に犠牲は付きものとです」
 その様にというのだ。
「考え」
「そうしてでしたね」
「テロを起こしていました」
「そうだったんですね」
「そうして満州そしてドイツ等でもです」
 戦場となった場所でもというのだ。
「同じことをしていました」
「酷いことを」
「バルト三国を強引に併合しフィンランドにも攻め込みました」
「それで共産主義国家はですか」
「平和勢力とです」
 その様にというのだ。
「喧伝していました」
「それ全部嘘ですよね」
「その通りです」
 速水はここでも否定しなかった。
「まさに」
「そうですよね」
「そうした人達なので」
「お話を聞いたらいけないですね」
「明らかな嘘を」
 知っている者が聞けば見抜けるものをというのだ。
「そう言っていますので」
「だからですね」
「決してです」
 それこそというのだ。
「聞かないで下さい」
「そうですか」
「そのうえで伊藤博文さんも考えて下さい」 
 その彼もというのだ。
「くれぐれも」
「そうなんですね」
「まことに日本の学者は腐敗しきってです」
「酷い意見がですか」
「大手を振って歩き続けています」
 そうなっているというのだ。
「だからです」
「そうした人達の言うことはですか」
「聞かず、まともな人のお話を聞いて」
「学ぶべきですか」
「そうされて下さい」
「大学の先生でもそうなんですね」
「どの国もそうした人はいるでしょうが日本は特に多いです」
 速水は苦い目で述べた。
「そうした人達が伊藤博文さんも悪く言います」
「女好きでも痛快な人ですよね」
「しかも極めて柔軟で有能な」
「凄い人ですね」
「私はそう思います」
「この人描いてもいいですね」
 咲は伊東博文を描こうとここで強く考えた。
「それなら」
「はい、そうされてもです」
「いいですか」
「若し小山さんが描かれてどうなるか」
 今度は先自身に話した。
「占わせてくれますか」
「お願い出来ますか?」
「私の好意でするものなので」 
 だからだというのだ。
「やらせて頂きます」
「それじゃあお願いします」
「それでは」
 速水は即座にだった。
 カードを出した、そのカードは。
「これはいいですね」
「ええと、星ですね」
「それの正です」
 見ればそのカードだった。 
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