おっちょこちょいのかよちゃん
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190 胸騒ぎの鎮静
前書き
《前回》
ナポレオンと交戦し、かよ子はナポレオンの隠し持つ異能の能力を発する機械を杖を剣に変化させる能力を駆使して六つのうち、四つ破壊する事に成功するが、急に石松達子分や椎名、関根、のり子がかよ子を襲撃する。裏切りで窮地に陥ったかよ子だったが、ナポレオンの妻というルイーザの介入、さらには機械の不具合もあってなんとか石松達を正気に取り戻し、ナポレオンを撤退させる。ルイーザの話によると石松達はダリアの花の能力で洗脳され、裏切りをさせられていたと知る。ルイーザに礼をしてかよ子達は先へ進む!!
オリジナルキャラ紹介・その17
花沢咲菜・マリエル (はなざわ さきな マリエル)
イギリス・マンチェスター出身のハーフ。母がイギリス人。初登場115話。小学生の頃に日本の千葉県に引っ越し、今は千葉県内の高校に通う。特殊な見聞の能力を所有しており、相手の動きを予知する事ができる。ブランデー・ナンから貰ったイギリス文学の登場人物及びアイテムを出現させる事ができる本を使用する。本作では三河口などと共に剣奪還の計画に参加する。同じ高校に通う男子・久水蓮次郎という男子に好意を寄せている。好きな食べ物はローストビーフ、最中・どら焼きなどの和菓子。
ヴィクトリア女帝の屋敷。彼女はある報告を受けていた。
「ほう、ナポレオンが手傷を負わされて撤退したと」
「はい」
「仕方ないわね。ジョゼフィーヌとかいう妻が愛おしいだけの男だからな」
女帝はどうするか今後の行動を練る。
(レーニン・・・、復活して動けるようになったと聞くけど?)
「ところで、クイーン・ベスを倒しに行った援軍はどうしてる?」
「今、向こうの本部の防衛隊と異なる経路で合流したそうです」
「そうか」
かよ子達は先に進む。
(またすぐ胸騒ぎがするな・・・それもまたいつも以上に・・・!!)
大野は見聞の能力の影響か、またどこか凶々しさを感じていた。
「大野君、どうしましたブー?」
「ああ、また嫌な予感がするんだ」
「そういや、俺もするな」
関根もだった。
「それにしても、この世界、本当に広いね。まだ、藤木君のいる所につかないよ」
かよ子は改めて異世界の広さを感じるのだった。
「世界は広いんじゃのう」
友蔵は呑気だった。
一方、戦争主義の世界の本部。レーニンはある地点を確認していた。
「何と言う事か・・・。我らの陣地が減少し続けている」
「はい」
「領土を取られたら奪い返すのみだ!」
「了解しました」
房子はトランシーバーを出して赤軍や東アジア反日武装戦線の皆に連絡した。
「皆の者!杖、杯、護符を奪うのみならず、この世界の領土を脅かすものも次々と始末せよ!」
『了解!』
こちら領土攻撃班、濃藤すみ子達の集団。すみ子は常に胸騒ぎがしてたまらなかった。
「すみ子、大丈夫か?」
山口が心配する。
「うん」
「それだけ見聞の能力が働いているという事は敵が沢山いる地に入っているという事ですね」
「エレーヌ、この子を少し休ませてやった方がいいんじゃないか?」
ジャンヌが提案する。
「そうですね。さらに進めばこの子にとっても毒かもしれませんから」
すみ子達の集団は一時行動を止めた。
「濃藤すみ子ちゃん、少し宜しいでしょうか?」
エレーヌがすみ子の額に手を当てた。すみ子の胸騒ぎが収まった。
「心の不安を取り除かせていただきました。ただ、この効果は無限に続くわけではない事に留意してください」
「ありがとう、エレーヌ・・・」
すみ子は救われた気がしてホッとした。
(私、なんか、皆に迷惑かけてるのかな・・・?)
同時にすみ子は申し訳ないという気がしてならなかった。そしてまた別の気配がした。
「また来てるわ・・・!!しかも今度はさっきとはまた違った気配が・・・!!」
「また違った気配だって!?」
「『違った気配』・・・。これはこの世界の人間じゃないね」
「というと?」
「赤軍だ!皆の者、準備せよ!」
「了解!」
皆は戦闘態勢の準備に入った。
「野郎、出やがれ!」
山口は矢を放った。前方が炎の海と化した。
「どこでやんすか?」
ヤス太郎もパチンコで玉を飛ばす。地面を爆発させた。
「向こうの方からする・・・!」
すみ子が指をさす。その方向は上空だった。
「何、上からだと!?」
一行は上を見上げる。
「させません!」
エレーヌは一踊りする。空中で何かが止まった。火炎瓶だった。
「水玉で消すでやんす!」
ヤス太郎はパチンコで水玉を放った。しかし、なぜか水が消えなかった。そのまま火炎瓶は割れ、その場に炎が広がる。
「な・・・」
「油を仕込んだ火炎瓶だ。水など意味ない」
上から赤軍の男が現れた。
「お前は!」
「俺か?俺は赤軍の日高敏彦!ここから先は通さんぞ」
日高が火炎瓶を投げた。その時、山口はふとすみ子の兄が通う高校の文化祭の時を思い出した。その時、赤軍が襲撃して来た時も火災が発生したが、水では通じなかった。
(確かすみ子の兄ちゃんの友達は水じゃなくて土で消してたよな・・・)
「ヤス太郎、土玉だ!」
「了解でやんす!」
ヤス太郎は土玉をパチンコで飛ばした。火炎瓶を土で埋める事で炎の周囲の酸素を奪い、消火に成功した。
「ち、そこまで考えてるとはな。西川達が文化祭の時にしくじったのも分からなくもないな」
日高は木製のボールを投げた。地面に当たっただけで地面が砕かれる。それも物凄い速さで四方八方に跳び、山口達の足場を悪くした。
「くう!」
川村がバズーカを発砲した。皆を浮かび上がらせる。
「赤軍!退いてもらいます!」
「やれるものならやってみろ!」
「私達を舐めるな!」
ジャンヌが飛び上がる。そして神を呼ぶ。
(大天使ミシェル、我々に導きを・・・!)
ジャンヌの手に秤が現れた。
「戦力の調整を!」
ジャンヌの秤の左の皿は敵の、右の皿は自分達の戦力を示すものだった。右の皿が上がり、左の皿が下がった。
「今の我々の戦力ではやや不利だ!調整する」
ジャンヌはさらに大天使ミシェルの能力で剣を出した。右手に剣、左手に秤、正に大天使ミシェルの構図だつた。秤が水平になる。
「大天使ミシェルの能力を受けよ!」
ジャンヌが剣をかざす。ジャンヌの従兵も剣を出す。地が揺らぎ、水が溢れ、炎が飛び、風が吹く。それに対して日高は武装の能力で防ごうとした。
「聞くかよ!」
日高はさらに巨大な虫を出現させた。
「何だあれ?」
「俺はな、ワラジムシの話が好きでね!」
巨大なワラジムシは水も風も飲み、炎や地も貪り食った。
「ちい!」
川村は日高に向けてバズーカを発砲する。狙うは日高の持つ機械だった。しかし、防がれた。
「くう、あいつも機械を複数持ってるな!」
「おのれ、もっと調整させてやる!」
ジャンヌが秤を更に調整させる。右の皿が下に、左の皿が上に傾いた。ジャンヌの軍勢から剣から炎が飛び交う。ワラジムシを焼殺しようとした。エレーヌも加勢で人踊りする。炎がさらに強化された。ワラジムシは炎を喰らいきれず、焼かれてしまう。
「それで簡単に倒せるか!」
その時、すみ子はまた別の嫌な感触を覚える。しかし、同時に心を落ち着かせる感触を覚えた。ワラジムシが焼かれて姿を消した後、また別の姿が現れた。
「あれは・・・」
「岡本、いいぞ!」
山口達はその姿に見覚えがあった。巨大なる聖母マリア。それは護符の持ち主を守るために名古屋で赤軍と戦った時に現れたものだった。
(また別の赤軍の人がいる・・・!!)
すみ子はそう勘付いた。
「皆の衆、迎撃に成功させるぞ!」
ジャンヌが一声掛ける。ジャンヌの兵や組織「義元」、エレーヌの力が強まる。ジャンヌが持つ秤の能力によるものである。マリアが光線を放つ。
「うおおお!」
すみ子も怠けじと銃を発砲する。聖母マリアの周囲に結界が施される。マリアの光線がすみ子が出した結界で弾かれ、自分に当たった。
「う、ぐぐぐ・・・!」
「マリア様!このクソガキ・・・!!」
別の赤軍の男、岡本公三が現れた。威圧の能力を発動させる。
「あ、ああ・・・」
ジャンヌの秤が左下に傾く。
「こちらの戦力が低下していく、だと・・・!?」
ジャンヌの従兵達も脱力していき、気絶者が現れる。
(だめ、終わり・・・!?)
すみ子は絶望したその時・・・。
「こんなんで終わるなんて情けないね」
後ろから一人の女子が現れた。先程からする心を落ち着かせる感触の正体はこの女子か、とすみ子は感じた。
(あの子は・・・!?)
後書き
次回は・・・
「生物を操る者」
すみ子達の前に現れた少女はスケッチブックより様々な生物を取り出して日高や岡本に対抗する。そしてかよ子達は今目的の少年が今どうしているのか、平和主義の世界の領土を守備を行っている長山に連絡をして眼鏡を通して確認を求める・・・!!
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