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八条学園騒動記

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第六百四十八話 牛を観つつその三

「誰が悪い等とはです」
「ないか」
「あらゆる生きものは生きていれば罪を犯します」
 セーラはカレーを食べつつ話した。
「このカレーにしましても」
「同じだな」
「お米もです」
 これもというのだ。
「稲の命を頂いていますね」
「その通りだな」
「ですから」
 その為にというのだ。
「ヴィーガンであってもです」
「命を食べているな」
「そうです、まして他の命を奪うなと言って」
 そうしてというのだ。
「他の人に暴力を振るう様では」
「本末転倒だな」
「全く以て」
「そうなるな」
「そうしたヴィーガンとはです」
「マウリアのヒンズー教徒は違うか」
「その中の菜食主義者の人達は」
 そうだというのだ。
「ちなみにヒトラーも菜食主義者でした」
「そうだったな」
「ソーセージ等は食べていたそうですが」 
 そうしていたと書いている資料も存在している。
「側近の人の証言でもあります」
「ヒトラーは菜食主義だったな」
「そうでもありました」
「さっき話した通りだな」
「そうでした」
「そう言うとな」
「菜食主義でもですね」 
 例えそうであってもというのだ。
「連合の方々から見れば」
「ヒトラーは悪人だ」
 ダンは言い切った。
「少なくとも連合ではな」
「左様ですね」
「独裁者で多くのユダヤ人やロマニの人を虐殺したな」
「極悪人ですね」
「人類史上最悪のな」 
 そこまでのというのだ。
「そうなっている」
「そうですね、ですが私生活ではです」
「そうした人だったか」
「食生活自体も質素で」
 そうしてというのだ。
「甘いものが好きでした」
「ヒトラーは甘党だったのか」
「そうでした」 
 チョコレートやケーキを好んだという。
「その実は」
「そこは人間味があるな」
「菜食主義でもです」
「甘いものは食べられるか」
「そうです、ただ生クリームは」
 ケーキに欠かせないこれはというと。
「牛乳を使っていますね」
「卵もね」
 蝉玉が言って来た。 
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