おぢばにおかえり
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第六十八話 入学式その五
「お祖父ちゃんとお祖母ちゃんがなの」
「いてくれているから」
「それも悪いわね」
今は別の教会で会長さんをしているのにです。
「本当にね」
「そう思うならね、千里が子供出来てね」
お母さんは私にこう返してきました。
「こうしてあげなさい」
「子供の入学式と卒業式には出るのね」
「どの子にもね」
「そうすればいいのね」
「そう思うならね」
色々してもらって悪いと思うならというのです。
「いいわね」
「わかったわ、随分先のお話だけれど」
それでもです。
「このこと覚えておくわね」
「そうしてね」
「ええ、絶対にね」
お母さんに確かな声で約束しました。
「そうするわね」
「それもどの子も公平によ」
「分け隔てしたら駄目よね」
「誰に対してもそうでね」
このことは八つのほこりでもあります、かわいといって自分が好きな相手でも贔屓したらいけないという考えです。新一君は嫌いでない相手には公平ですが嫌いだと徹底的に嫌うのでこのかわいともう一つにくいがあると思います。
「自分の子供にもなのよ」
「公平に愛情を以てなのね」
「育てないと駄目でね」
「接しないと駄目よね」
「そのことは気をつけてね」
「私贔屓嫌いだし」
このことははっきりしています。
「とはいっても特定の人を嫌い抜くこともしないしね」
「どっちもよくないわよ」
「本当に公平に、よね」
「人には接しないと駄目で」
それでというのです。
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