八条学園騒動記
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第六百四十七話 無欲な野心家その十
「革命家にはです」
「なれないのね」
「いえ、なりません」
「革命家には」
「革命家は理念と理想に燃えて」
そうしてというのだ。
「社会を変革しようとです」
「考えてなの」
「なるものなので」
「真面目にその国や社会を憂いて?」
「矛盾を正そうとです」
そう決意してというのだ。
「動くものなので」
「真面目でないとなのね」
「なりません」
「そうしたものなのね」
「間違っていても」
その理念や理想がというのだ。
「真面目でないとです」
「革命家になれないのね」
「ですからあの人も」
ジャバルにしてもというのだ。
「非常にです」
「真面目なのね」
「そして信仰心もです」
こちらもというのだ。
「おありなのです」
「それもかなりなのね」
「そうなのです」
「それで真面目だから革命家になって」
「政治家としてもです」
「活動してるのね」
「そうした人です」
セーラは豚肉抜きのカレーを食べるアンに話した、見ればムスリムのクラスメイト達は一旦アッラーに謝罪してから食べている。
「ですから牛肉もです」
「食べないのね」
「そうです、尚ヒンズー教徒に騙してでも強制してでも牛肉を食べさせると」
セーラはこのケースも話した。
「殺されてもです」
「文句言えないとか?」
「その場合マウリアでは無罪になります」
牛を食べさせられた者が食べさせた者をそうしてもというのだ。
「そしてマウリアで牛を殺しますと」
「重罪よね」
「人権ではなく牛権がありますので」
だからだというのだ。
「選挙には参加しませんが市民権もあるので」
「だからなの」
「殺しますと」
その場合はというのだ。
「重罪となります」
「裁判にもかけられるの」
「そして死刑も」
極刑になることもというのだ。
「覚悟すべきです」
「牛はそこまで大事にさせられているのね」
「それはアウトカースト層でも同じで」
彼等もというのだ。
「牛はです」
「マウリアではなのね」
「殺してはいけません、いじめることもです」
殺さずともというのだ。
「罪に問われます」
「傷害罪ね」
「そうです、ですからお気をつけよ」
「いや、マウリアねそこは」
「マウリアは普通に牛が道や学校を歩いているというが」
ギルバートがここで言ってきた。
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