八条学園騒動記
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第六百四十六話 最後はカレーその八
「エウロパの為に真面目に働いてる」
「いい人なの」
「そうです、真面目で有能な」
そうしたというのだ。
「卓越した方です、ですが」
「ですが?」
「あの人はヒトラーには近くないです」
ギルフォードはというのだ。
「連合ではヒトラーの再来とも言われていますね」
「実際にね」
「ですが同時にブラウベルグの再来とも言われていますね」
セーラはこのことも話した。
「そうですね」
「ええ、そうもね」
ウェンディもその通りだと答えた。
「あいつは」
「そちらの方かと」
「あいつはブラウベルグなのね」
「貴族ですし」
ブラウベルグと同じくというのだ。
「そして趣味や生活、振る舞いもです」
「そうしたこともなの」
「ブラウベルグに近いかと」
エウロパの国父と言われている彼にというのだ。
「むしろ」
「そうなのね」
「ヒトラーはエウロパにはいません」
セーラはきっぱりと言い切った。
「私はそう見ます」
「じゃあ誰なの?」
七海はセーラに問うた。
「その人は」
「はい、マウリアの」
即ち自分の国のというのだ。
「ジャバル副主席です」
「えっ、あの人いい人じゃない」
「そうよね」
七海に続いてダイアナも声をあげた、皆驚いた顔になっている。
「アウトカーストから身を起こして」
「今やあそこまでなって」
「アウトカースト層の権利の為に政治家になった」
「それで活動している人じゃない」
「差別や偏見、階級と戦う」
「素晴らしい人よ」
二人で連合でのジャバルの評価を話した。
「まるで神様みたいな」
「素晴らしい人よ」
「連合ではそう思われていますが」
それがとだ、セーラは話した。
「違うのです」
「実はヒトラーなの」
「あの人は」
「一番近いです、演説も巧みですし」
こちらもというのだ。
「私がなく劣等感が強く偏見が強い」
「いや、おかしいよ」
トムがすぐに反論した。
「あの人は差別と戦ってるじゃない」
「アウトカースト層の代表としてですね」
「そうだよ、差別されていて」
「その差別を覆す為にですね」
「政治家になって」
そうしてというのだ。
「今マウリアの改革を行っているんだよ」
「だからですね」
「あの人はね」
「差別に反対で」
「偏見もね」
これもというのだ。
「ないよ」
「アウトカースト層としてカースト層に反感を持っているので」
それでとだ、セーラは話した。
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