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IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス

作者:ハト胸
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専用機だ!

 
前書き
相川拓夢
 16歳、黒髪に青い瞳。
 規則正しい生活、とくに朝は早い。
 朝食に限り煩くされるのが嫌い。
 千冬による早朝練習が追加された。 

 
 俺がトイレから戻ると、教室が人でいっぱいになっていた。

 「なー清香さんや?」

 「なんだい拓夢君や?」
 
 「これ、一体どういう状況?」

 「さぁ、私に聞かれても困るのよ」

 「あれ?こないだ私に分からないことは無い的なこと言ってなかったっけ?」
 
 「言ってないよー。甘く見るんじゃないとかは言ったかもしれないけど」

 「あれ?そだっけ」

 「そうだよー」

 早くも三コマ授業が終わった。
 一時間目は世界史、二時間目はIS。
 そういえば、このIS学園にも一般授業というものはある。
 勿論ISがメインの学園なので、一般教科の授業は一日三コマ程度。下手したら無い日もある。
 で、今日は世界史と数学の日だ。一時間目に世界史、二時間目はISについて学んで、三時間目はISの特性、四時間目は現代社会、五時間目にISの構造で六時間目に数学ってな感じにな。
 
 例によって例のごとく、俺は三時間目が終わると同時にトイレにダッシュした。
 それで戻ってくれば、教室は大混乱に見舞われていると。

 何故か廊下まで続く長蛇の列。チケットのようなものを販売しているクラスメート。そして、質問漬けにされている一夏。

 なんかもう、見るだけで疲れてくる光景だ。
 こちらに飛び火してくるのも嫌なので、俺はこっそり後ろのドアから入って身を低くし、自分の席で体を小さくしている。

 ちなみに清香は俺の盾と化している。最後の砦といってもいい。
 清香が居なくなった瞬間、俺は見つかり質問地獄に陥ることだろう。
 勘弁してください!!

 「そういえば織斑くんの部屋にね」

 「・・・ん、なになに?」

 「私も同じ部屋の子から聞いただけなんだけど。昨日の夜、織斑くんの部屋に上級生の人とかが押しかけたらしいよ~」

 「うげっ、それマジ?」

 「マジ!・・・で、ここからがもっと凄い話」

 「凄い話?・・・まさか更に酷いことがあるのか?」

 「拓夢君にとっては、ね」

 なんだそれ、怖いから止めてくれ。
 ただでさえ一夏がこっちに視線を送って、俺に女子達の注意を逸らそうとしているのに!
 やめろお前!飛び火するじゃないか!
 見ろ、箒の機嫌がマッハで急降下中だぞ!?
 ああ、握られた机がミシミシいってる!!握力何ぼだよあの女子は。

 「実はね、拓夢君の部屋にも数人、先輩が押しかけたらしいのよ」

 「・・・はぁっ?まてまて、俺知らないぞ?」

 「やっぱり、そうだと思ったんだぁ~。噂では、押しかけた先輩。いや、正確には押しかけようとした先輩がね、織斑先生に見つかっちゃったらしいんだよ」

 「うわ、それは・・・・」

 「どうも消灯時間過ぎてるのにウロウロしてたことで怒られちゃったらしいんだ」

 「その先輩達、落ち込んでるだろうなぁ」

 「ううん、実は逆なの」

 「は?逆ってどういう・・・」

 「その先輩がた、なんとしても拓夢君に会うんだって張り切っちゃったみたいで、今晩にもまた押しかけるらしいよ。しかも今度はドア以外から・・・」

 鳥肌が立った。
 え、ドア以外?!まって何でそんなことする気なんだよ!普通にドアから来てくださいよ!
 いや来ないのが一番いいんだけどね。

 「ドアから行ったんじゃ、きっと織斑先生に見つかっちゃうからって。拓夢君の部屋、織斑先生の部屋に近いらしいよ?」

 「そうなの!?うわ全然知らなかった」

 そうか、朝のあれって部屋が近いから俺が外に行ったの分かったのかな。
 じゃないとあんな朝早くから、千冬さんがグランドなんかに来ないもんなー。

 「てか、清香はなんでそんなことまで知ってるのさ?」

 「いやぁ、ルームメイトが新聞部に入部したらしくてさー。そこの先輩が凄く情報通で、交換したんだって」

 「交換?何と何を」

 「拓夢君の情報と、最近の噂話いろいろを」

 「俺の情報!?」

 「ちなみに、拓夢君の情報は私からその子に・・・」

 「売ったの!?」

 「いやぁ、デザート三日間おごりには勝てなかったよ~」

 なんとまぁ、俺の情報が駄々漏れだった。
 その価値三日間分のデザート。とほほ・・・。

 「で、どこまで話しちゃったんだよ」

 「ん~、でもそんなに言ってないかなぁ。性格とか話し方とか、可愛い妹さんがいるってこととか」

 「まぁそれなら問題ないか。・・・って、なんで妹居ること知ってんの!?」

 「君が、昨日のお昼休みに教えてくれたんだけど?ちょっとのろけた具合に」

 「あー、そういわれれば言った気がしないでも・・・」

 「拓夢君ってさぁ、割と記憶力悪い?」

 「面目ない」

 実際のところ、そこまで気にしてないことは忘れてしまう。
 集中すれば思い出せるけど、大抵どうでもいい事だから、そのままにして忘れるってのが多いんだ。
 確かに昨日、昼に弁当食べてるときにそんな話をした気がする。
 アドレス交換したときだったような・・・って

 「アドレス!・・・まさかアドレスは教えてないよな!?」

 「いくら私でも、デザートに釣られてアドレスは教えないよー。さすがにマズイしょ」

 「ああ、マズイわ。流されたら間違いなくメールパンクするって」

 「あははっ、だよね~」

 笑い事じゃない。
 きっと当事者になれば清香も分かるはずだ。
 だって授業合間の休み時間でこの騒ぎだぞ?時間無制限のメールなんか分かった日にゃ、夜中まで止まらないに決まってる。

 と、どうやら騒動が治まったみたいだ。
 千冬さんが来て話しを中断させてた。

 「さすがに先輩達でも、織斑先生には勝てないみたいだね」
 
 当たり前だ。
 あの人に勝てるのは、きっと人間を止めて神にでもならない限り不可能だろ。

 「相川、なにか面白いことを考えていないか?」

 「めっそうもありません!」

 いつのまにか、一夏と話していたはずの千冬さんが俺の直ぐ横に立っていた。
 しかも心を読まれただと!?どういうことだ怖すぎる。

 「よく聞け相川。今一夏にも言ったが、お前らのISが遅れている。予備機がない。よって学園から専用機が支給されることになった」

 なるほど、千冬さんが来たのにもかかわらず教室が騒がしい理由はこれか。
 一夏に今と同じことを言ったんだろう。そしてそれを聞いた皆が騒ぎ出した、と。

 「そうですか。届くのはいつごろになりそうですか?」

 「ええ!?なんでそんな平気な顔しているの拓夢君は!!」

 「そうだな、お前の方は早くても二週間かかるそうだ」

 「俺のほうは?」

 「ああ。すまないが一夏の機体が先に来る予定になっている」

 「・・・そうですか。まぁ、すこしくらい待ちますよ。それに準備も必要ですしね」

 「そうだな。お前のISがくるまで色々と詰め込んでやるから覚悟していろ」

 「了解です!」

 「拓夢君も織斑先生も、平然としすぎだよぉ・・・」

 なんだか清香がうなだれているが、どうしたんだ?
 
 まぁ確かに専用機が、それも俺と一夏で二機くるっていうんだから驚くのも無理ない。
 いきなりこのクラスに専用機持ちが二人も増えたら、そりゃ驚きもするだろ。
 だがこの相川拓夢、前世の記憶を持つ身としてはこの程度ことでいちいち驚いてはいられないのだよ!

 はてさて、俺の専用機はどんなものが来るのやら。
 期待に胸を膨らませながら、俺は次の授業の準備を始めるのであった。機体だけにな。

 「それ、すごく寒いよ・・・」

 まさか、清香まで俺の心を読めるとは思わなかった・・・・・・。 
 

 
後書き
専用機、夢ですよね。
でもくるまでに時間がかかります。よって拓夢は訓練機で戦うことに。
え、誰と戦うのかって?・・・ふふっ、分かっているでしょうに。
 
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