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東方絆日録 ~ Bonds of Permanent.

作者:福岡市民
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招かれし者(松上敏久)
  新事実判明

 
前書き
本章はこれで終わりです。 

 
霊夢「あら?新聞が来ているわ」


霊夢は居間に入ってすぐ、炬燵《こたつ》の上に新聞が2部置かれているのに気づいた。
そしてその横には


博麗 霊夢様

毎度ありがとうございます。清く正しい射命丸です。
昨日、迂闊《うかつ》にも号外を届けるのを忘れていたので朝刊と併せてお届けに伺いました。お留守のようですのでここに置いておきます。誠に申し訳ありませんでした。

射命丸 文


と綺麗な字で書かれたメモが添えてあった。


霊夢「(そんな改まらなくていいのに…)私は後で読むから、読みたければ読んでていいわよ」

敏久「ん、分かった」


霊夢は昼食を作るべく台所へ向かった。


敏久「これが文々。新聞(ぶんぶんまる-しんぶん)か…」


敏久も外界にいたときに「日本海新聞」という新聞をとっていた。地元・鳥取の話題が満載のいわゆる地方紙と呼ばれる新聞で、この文々。新聞もきっとその類いなのだろうと敏久は思った。


敏久「まずは号外から読むか…。なになに、“幻想郷に外界人あらわる⁉︎”だと?」


内容はこうだった。


~~~~


―――本日午前11時ごろ、妖怪の山の「虹の滝」裏にある哨戒天狗詰所に外界人の女性が一人訪ねてきた。名前を西村早苗(にしむら-さなえ)といい年齢は19歳。現在は妖怪の山山頂にある守矢神社で生活しており、およそ2日前に幻想入りしたという。
また、幻想入りする直前に『たくさんの目に見つめられながら落ちていく不思議な夢を見た』と話していることから、すきま妖怪の八雲紫氏(年齢不詳)が関わっているのではないかと思われる。

(以下略)


~~~~


敏久「つまり、幻想郷に西村がいるってことか!?」


敏久は思わず大声を上げてしまった。西村早苗は敏久と同じ大学に通っており、さらに同じ委員会の仲間でもあるのだ。大声を出さずにいられないのが普通だろう。


霊夢「ギャーギャーうるさいわね。一人で何をそんなに喚いているの?」


いつの間にか炒飯が載った皿を持った霊夢が居間に戻ってきていた。
皿の中で炒飯がジュージューと音を立てており、辺りに漂う芳香がより一層食欲を引き立てる。


敏久「いやな、俺の友人が幻想郷に来ているらしいんだよ」

霊夢「そうなの。とりあえず食べるからその辺を片付けてくれる?」

敏久「あいよ」



ーー
ーーー


二人「いただきます」


穏やかな昼下がり。陽が照って幾分か暖かくなってきた居間で霊夢の炒飯を食べる。意外と美味しかった。


敏久「しかしまあ、霊夢が炒飯作るとは意外だな」

霊夢「何それ。巫女は和食以外作ったらダメってこと?」

敏久「いや、そうじゃなくて霊夢はいつも和食しか作らないイメージがあったけえな」

霊夢「そりゃあ私だって中華や洋食も作るわよ。その気になれば何だって作れるわ」

敏久「じゃあ子どもも?」

霊夢「・・・フザケタコトヌカスト、ブチコロスワヨ?」

敏久「冗談だよ冗談!」


こんな感じで食事が終わった。



ーー
ーーー


片付けが済んだのち、敏久は霊夢に例の号外を見せた。


霊夢「この西村早苗さんって人が敏久のお友達なの?」

敏久「ああ。大学の同期でな、委員会でもサークルでもかなり仲が良かったんだ。唯一の女友達さ」

ルーミア「へえ、そーなのかー」


・・・。


霊夢「ルーミア⁉︎ もう、びっくりするじゃない…。何しに来たの?」


いつの間にかルーミアが居間に上がり込んでいた。


ルーミア「ご飯食べに来たのだ!」

霊夢「そう言えば今日“来る”って言ってたわね…。炒飯の残りがあるからそれを食べなさい」

ルーミア「うん!」


ルーミアは霊夢が持ってきた炒飯を一瞬にして平らげた。
一体どんな手品なんだ⁉︎


ルーミア「もう無いのー?」

霊夢「今日はそれでおしまいよ」

ルーミア「分かったー。ごちそうさまでした!」

霊夢「はい、お粗末さまでした」


ルーミアのほにゃっとした笑顔に思わず二人も笑顔になる。


敏久「それでだ。これからどうする?俺としては西村に会いに行きたいんだが」

霊夢「そうね、私も興味があるし一緒に行こうかしら。ルーミアはどうする?」

ルーミア「私も行くよー」

敏久「よし、これで決まりな。そしたら早く行く準備しようぜ!」


こうして、敏久一行は守矢神社に行くことを決めたのだった。



ーー
ーーー


守矢神社に向かう途中で三人は魔法の森に住む七曜の人形遣い「アリス・マーガトロイド」に会った。


アリス「あら、霊夢にルーミアじゃない。それとーーー」

敏久「松上敏久。博麗神社に居候中の外界人だ。よろしくな、アリス・マーガトロイド」

アリス「なんで貴方が私の名前を知ってるのよ。…まさか貴方、ストーカーか何か?」

敏久「かくかくしかじか」

アリス「そうだったのね…。ところで貴女たちはこれからどこに行くの?」

霊夢「守矢神社よ。アリスも来る?」

アリス「そうね…。どうせ人形劇からの帰りだし、ご一緒させてもらおうかしら」

敏久「そうか、道中よろしくな」

アリス「ええ、こちらこそ」




ーーー4人は守矢神社へ向かった。




(融合編『初顔合わせ①』へ続く)    
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