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ハッピークローバー

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第九話 合コンの前にその四

「あの人の場合はね」
「その筋よね」
「そうした風でしょ」
「そうね」
 留奈もその通りと頷いた。
「あの人は」
「そうした服装になっていてね」
「入れ墨だってね」
「そうだったわね」
「もうあれ見てね」
 その入れ墨をというのだ。
「うちのお父さん怒ったのよ」
「そうだったの」
「こいつは何を考えてるんだって」
「入れ墨見てなの」
「プロ野球選手ならね」
 例え引退してもというのだ。
「子供達と接するのに」
「子供達に入れ墨入れた姿で会うとか」
「そんなの論外だってね」
「子供の教育に悪いわね」
「お父さん言ってたわ」
 留奈は顔を顰めさせて言った。
「入れ墨は身体に凄く悪いって」
「あれね、お肌に傷入れてね」
「針でね、それで色入れるから」
 それでというのだ。
「そこのお肌がね」
「もう死ぬのよね」
「皮膚呼吸出来なくなってね」
「滅茶苦茶身体に悪いのよね」
「そうなのよね」
「そういえば漫画とかでよく入れ墨入れてるキャラクターいるわね」
 ここでかな恵は思い出した様に言ってきた。
「あの卍とかリベンジとかいう」
「ああ、あの漫画ね」
 富美子もその漫画のことを知っていて応えた。
「あの漫画そうしたキャラ結構いるわね」
「あの漫画だとお顔とか頭の横とかに入れてるけれど」
「痛いわよね」
「それで一生消えないしね」
「お肌も死ぬから」
「もうかなり無茶よ」
 こう富美子に話した。
「私絶対に出来ないわ」
「私だってよ」
 富美子は眉を顰めさせて答えた。
「あの漫画面白いと思うけれど」
「やっぱり入れ墨はね」
「自分の身体にもよくないわね」
「それで子供が真似したら」
 それこそというのだ。
「本当に駄目だから」
「あの人みたいにね」
「しない方がいいわ」
 かな恵もこう言ってその元プロ野球選手を否定した。
「それでああした人とは」
「付き合わないことね」
「やっぱり入れ墨ってカタギの人入れないわよ」
「今の日本じゃそうね」
「というか日本だと昔からね」
「ヤクザ屋さんの証?」
 理虹は入れ墨についてこう述べた。
「入れ墨って」
「それかアウトローね」
 富美子は理虹にこう返した。
「まあヤクザ屋さんもアウトローだけれど」
「あの漫画も不良の世界だし」
「やっぱりアウトローよね」
「私達別にそっちの世界に興味ないし」
「いいとも思わないわね」
「というか何がいいか」
 理虹は首傾げさせて言った。 
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