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おぢばにおかえり

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第六十七話 春休みが終わってその三十五

「そんな人いますね」
「けれど彼は違うね」
「そこは本当にいいことですね」 
 心から思います。
「そのことは」
「長所も多い子だからね」
「そうですね、だから色々仕込みますと」
「もっといい子になってね」
「いいようぼくになりますね」
「千里ちゃんもよく仕込んであげるといいよ」
「そうさせてもらいます」
 私は杉浦さんに答えました、そうして晩ご飯を食べてから歯を磨いてお風呂に入りました。その後で。
 詰所の事務所に入りますと白石さんに言われました。
「ここで色々手伝ってね」
「わかりました」
「ひのきしんの内容はその都度言うから」
「そうですか」
「あと阿波野君絶対に来るから」
 このことは笑って言われました。
「毎日ね」
「事務所にもですか」
「もう来ない日ないから」
「休日もなんですね」
「去年毎日来てたし今日もだったしね」
「今年もですか」
「今年絶対に去年以上に来るから」
 そうなるというのです。
「千里ちゃんも楽しみにしていてね」
「楽しみじゃないです、というか用あるんですか?」
 詰所に来るそれがです。
「そもそも」
「去年は顔見せだったよ」
「それで今年は」
「阿波野君なりの用事が出来たんだよ」
「あの子なりのですか」
「もう凄く大事なね」
 私を見て笑って言いました。
「それが出来たんだよ」
「そうなんですか」
「というかその用事がなかったら」
 その場合はといいますと。 
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