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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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第14話

 
前書き
いや、フリーザ様書いてて楽しい 

 
フリーザがかめはめ波の直撃を受けたことに安堵した悟林は一息吐いた。

次の瞬間、全身に身を切られるような激痛が走った。

「う…あ…っ!?ああああああっ!!!」

体の内側から壊れていくような感覚に絶叫を上げながら悟林は海に落下していく。

「悟林ーーーっ!!」

即座にピッコロが悟林を救出する。

「あ、ありがとう…ピッコロさん…」

「気にするな、全く大した奴だぜ…」

「ううん…あいつはまだ死んでないと思う…」

「ああ、奴の気の消え方が不自然過ぎる。恐らく気を消したな」

探してとどめを刺しに行きたいが、気を消されては探しようがない。

「私達の闘い方を見て気の消し方が分かったのかも…痛た…ピッコロさん、私をデンデの所に…」

「分かった」

ピッコロは岩陰に隠れているデンデの元に悟林を連れていった。

「悟林さん!」

「デンデ…治してくれるかな…界王拳で無理したから体が凄くきつくて…」

「はい!」

デンデが触れると悟林の傷は癒されて全快となる。

すると悟林の気が大幅に増大し、先程の3倍界王拳時よりも少し上の力にまで上昇した。

近くに同じく全快したベジータがおり、悟林同様2回目の復活もあって倍くらいにまでパワーアップしている。

デンデがピッコロの怪我も治すとピッコロは信じられないように自分の怪我をしていた頬などに触れた。

「お、俺にもこんな力があるのか…?」

「いえ、あなたは戦闘タイプですから…」

ピッコロの疑問にデンデが答えるとクリリンが悟林に尋ねてきた。

「悟林ちゃん、凄えかめはめ波だったな!あれならフリーザも…」

「まだ死んでないよフリーザは…」

「あの程度でフリーザは死なん」

悟林とベジータの答えにクリリンと悟飯の表情が凍り付く。

「多分最後の変身をするつもりなんだと思う」

「俺達との闘いで戦闘力のコントロールを上達させやがったようだな。フリーザの戦闘力が感じられん(今の俺ならば確実に今のフリーザは倒せるが、変身されたら勝てるか分からん。伝説の超サイヤ人に俺かこいつのどちらかがなれれば…)」

戦闘力は大きく上がったが、今の自分は一瞬だけ見た4倍界王拳の悟林の戦闘力より僅かに下だ。

これでは超サイヤ人になった実感がない。

一番の理想は自分が超サイヤ人になることだが、死んでしまっては意味がないので悟林の超サイヤ人化にも期待しなければならない。

「ねえ、ベジータさん。超サイヤ人って何なの?」

今まで疑問に思っていた悟林はベジータに超サイヤ人とは何なのかと尋ねる。

「超サイヤ人は一千年に1人現れる伝説の戦士だ。どんな天才でも超えられない壁を超えてしまうサイヤ人…それになれさえすれば今の戦闘力とは比べ物にならない力を手に入れられるはずだ。俺が超サイヤ人になれさえすれば…最後の変身をしたフリーザさえも確実に…」

言い切る前にここからかなり離れた小島で大爆発が起きた。

そこに誰もが振り返ると、フリーザらしき者が佇んでいた。

「とうとう最後の変身をしやがったか…」

「あ、あれがフリーザなのか?小さくなってさっぱりしちまって迫力が…」

「…が…外見だけで実力を判断するなと言う良い見本だ…さっきの姿の方がずっと可愛かったぜ…」

ベジータが冷や汗を流し、クリリンがフリーザの正体に唖然となり、ピッコロはフリーザの強大な戦闘力に表情を険しくする。

「ま、参ったなあ…か、勝てないかも…」

引き攣り笑いを浮かべる悟林。

フリーザは無言でこちらに指を向けた次の瞬間、デンデが爆発に飲まれた。

突然のことにベジータも悟林も対応出来なかった。

振り返るとデンデが殺されていた。

恐らく気弾を撃ったのだろう。

「デンデーーーっ!!」

「デンデが殺された…!」

悟飯がデンデの死に絶叫し、悟林もデンデの死に動揺した。

「これでもう俺達のパワーアップは望めんと言うことか…!」

「く、くそ……隠れながら俺達があいつのおかげで復活したのを見てやがったんだな!!」

ベジータも最悪とも言える状況に表情を険しくし、ピッコロは歯軋りしながらデンデの死体を見る。

次の瞬間、フリーザが目の前に現れた。

「さて、君達に僕から取って置きのプレゼントをしてあげよう。地獄以上の恐怖をね」

「クリリンさん!ピッコロさん!悟飯をお願い!」

「お姉ちゃん、僕も闘う!デンデの仇を…」

「邪魔だと言うのが分からんのか!最早この闘いは超サイヤ人に近付いているサイヤ人にしか踏み込めん領域だ!雑魚共は引っ込んでいろ!!」

悟飯はデンデの仇を討とうと闘おうとするが、ベジータに一蹴される。

最早戦場はパワーアップしたピッコロでさえ雑魚呼ばわりされる未知の領域である。

「逃がすと思うかい?」

フリーザが3人に向けて気弾を放つが、悟林とベジータがそれらを弾く。

「ま、また見えなかった…!」

「ベジータと悟林には見えていた…こいつらの実力がそれだけアップしているのか…」

クリリンとピッコロが2人が弾いた気弾の着弾点を見ながら呟いた。

言い方はあれだが、ベジータの主張は間違っていない。

フリーザの攻撃が見えない上に一撃でやられそうな味方がいては戦闘に集中出来ない。

「……界王拳!」

「…ふん、カカロットの出番はないぜ…!」

悟林は2倍の界王拳を発動し、ベジータはもう後がないことを理解しながらも己を鼓舞するように言うと、2人は構えた。

「…さあ、始めようか…キッ!!」

フリーザの目が見開かれた瞬間、2人は視線から離脱した。

2人のいた場所に小規模の爆発が起きた。

「見えているぞ!だだだだ!!」

「魔閃光ーーーっ!!」

ベジータはフリーザに向けて気弾を連射し、悟林も魔閃光を放ってフリーザを攻撃するが、姿が消える。

「そこだっ!」

「逃がさないんだから!」

フリーザのスピードに反応してベジータと悟林もフリーザに突っ込む。

流石に自分のスピードに対応されたのが予想外だったのか、フリーザの目が多少見開かれた。

「なるほど、このスピードではちょっと遅いか…ならもう少し本気を出そうかな?」

ベジータと悟林の拳と蹴りをかわしながらフリーザは笑みを深めると距離を取った。

2人が気功波を放とうとした時、フリーザの姿が掻き消えた。

「「!!」」

悪寒を感じた2人は顔を横に逸らすと、フリーザの肘が頬に掠る。

「ほう!良くかわしたね、ギリギリとは言え大したものだよ。」

「くっ…!」

「あんまり調子に乗らないでよ…!」

冷や汗を流しながらフリーザを睨む2人だが、フリーザは余裕の笑みを浮かべるだけだ。

「ふっふっふ…どうやらベジータはそれまでのようだけど、君もそろそろ本気を出した方が良いよ。まだ全力を出してないんじゃないか?」

「………」

まだ3倍の界王拳を使っていないことに気付かれていることに悟林は表情を歪めた。

「先程見せた君の限界を超えたパワーアップとベジータのサポートを考えに入れても僕の計算では…」

「「………」」

フリーザは悟林の4倍界王拳とベジータのサポート込みでの計算を行い、そして答えを導き出すと、人差し指を立てた。

「約10%」

「え!?」

「なっ!?」

「僕がマックスパワーの1割の力を出せば君達を宇宙の塵にすることが出来るんだよ」

「冗談きついよ…流石にそれは笑えないなあ…」

「残念だったね、僕は下らない冗談は嫌いなんだ。それじゃあ、軽くまず5%から行ってみようか」

次の瞬間、ベジータにフリーザの頭突きが炸裂した。

「ぐがあっ!?」

「ふんっ!!」

吹き飛ばされるベジータにフリーザが一瞬で真上に移動し、尻尾による一撃で地面に叩き付けた。

「ベジータさん!」

「あ…ぐう…う…!」

「ベジータ、君がこれくらいで参っちゃ困るよ。もっと堪能してもらわないとね…地獄以上の恐怖を…さて、ベジータが立てるまで回復するまで今度は君と遊んであげよう。お待ちかね10%だ。」

「はあああっ!!」

界王拳を3倍を発動してフリーザに特攻する。

フリーザは笑みを深めて悟林の攻撃を全て足だけで捌いて見せた。

「どうしたんだい?僕は両腕を使ってないのにそれでは拍子抜けだよ。」

「気円斬ーーーっ!!」

悟林は指を額に当てながら3倍界王拳での気円斬を繰り出す。

流石のフリーザもこれを受ければただでは済まないだろう。

「はっ!」

目を見開き、念力で気円斬を止めるフリーザ。

「そ、そんな…」

「これは返すよ」

そのまま悟林に返し、慌てて悟林はかわした。

「くっ!くそおっ!な、ならこれならどうだ!」

気円斬がかわされた時の保険として予め気を溜めていた指先をフリーザに向けた。

「魔貫光殺砲ーーーっ!!」

最大まで気を溜めた魔貫光殺砲がフリーザに迫る。

「きえええっ!!」

次の瞬間、フリーザの顔つきが変わり、気も数倍に膨れ上がって魔貫光殺砲を容易く蹴り飛ばした。

「あ…ああ…!」

格上に対して心強い技であった気円斬と魔貫光殺砲がまるで通用しないこと、そして一瞬見たフリーザの圧倒的な気に悟林は戦意を失ってしまった。

再び10%のパワーに戻ったフリーザは悟林との距離を詰めて強烈な肘打ちを喰らわせ、そして組んだ拳を悟林に叩き付けてベジータと同様に地面に叩き付けた。

「ゴ…ゴホッ…う……」

「ふふ、もうダウンか。少しやり過ぎたかな?僕としたことが少し大人げなかった。」

「く、くそお…っ!」

ふらつきながら立ち上がるベジータにフリーザは笑みを浮かべた。

「そうそう、そうこなくちゃ…でもその前に…このチビにとどめを刺そうか…」

フリーザの手のひらの気弾。

それは界王拳を発動していない悟林を消し飛ばすには充分過ぎる威力だった。

「お姉ちゃーんっ!」

見ていられずに悟飯が飛び出すが、フリーザの軽く振るった尻尾に触れただけで吹き飛ばされてしまう。

「「悟飯っ!」」

「…あ…う……」

吹き飛ばされた悟飯にピッコロとクリリンが叫び、フリーザの気弾が発射された瞬間、山吹色の何かが通り過ぎて悟林を救った。

「っ!カカロット!!」

ベジータがその正体に気付き、声を上げた。

悟林を抱き上げているのはメディカルマシーンでの治療を終えた悟空だったのだ。

治療を終えてフルパワーとなった悟空は、悟林をピッコロに預けた。

「君は誰だ?」

「カカロット…やっと来やがったか…!」

あの一瞬で悟林を救出した悟空に警戒するフリーザだが、ベジータの言葉に振り返る。

「カカロット…!?その名前は…サイヤ人か!だが、こいつの顔はどこかで…はっ(あいつだ!惑星ベジータを滅ぼした時に最後まで抵抗をしたあのサイヤ人にそっくりなんだ…!)」

その最後まで抗ったサイヤ人が悟空の父であり、悟林と悟飯の祖父であることなど知る由もない。

「ピッコロ、悟林のことを頼むぞ…不思議なでかい気の正体はピッコロだったのか。ドラゴンボールでやって来れたんだな。遅くなってすまなかった。おかげでダメージも回復出来た。後はオラが何とかする」

「ご…悟空…ほ…本当に悟空か?い…今までのお前の気とは感じが違う…」

ベジータや悟林も今までとは質が異なった気を発していたが、悟空はそれ以上だった。

悟空はフリーザと向かい合うと口を開いた。

「貴様がフリーザか…思ってたよりずっとガキっぽいな…」

「(さ…さっきまでのカカロットじゃない…やはりあいつも超えやがったか…サイヤ人の限界の壁を…こいつも近付いてやがるのか…超サイヤ人に…!)」

ベジータはサイヤ人の勘が働いたのか、悟空も自分達と同じ…それ以上のステージにいることを察した。

「サイヤ人は1匹たりとも生かしてはおかないよ…馬鹿だね、大人しく震えてりゃ良かったのに…」

「かもな…」

挑発らしき言葉にも全く動じない。

突然にフリーザが悟空に向かって尻尾による攻撃を仕掛けた。

しかし、それ以上に素早い動きでフリーザのそれが当たる前に悟空が蹴り返した。

頬に一撃が入り、一回転して何事もなかったように立ち、フリーザはニヤリと笑いながら指を向けた。

「やばいっ!避けろ悟空ーーーっ!!」

射線上から悟飯を抱えて逃げるクリリン。

しかし悟空は片手で全て弾いてみせた。

「まさか…全部弾き飛ばした…片手だけで…」

「く、くそったれ…まさか最下級戦士が…ここまで…」

今の一撃はベジータでは防げなかった。

自分には出来なかったことを悟空は容易くやってのけたことにベジータは表情を歪めた。

「貴様ら、この場から離れるんだ!俺達は邪魔だっ!!」

ピッコロが悟林を、クリリンが悟飯を抱き上げながら、ベジータは複雑な表情で離脱した。

始まった悟空とフリーザの闘いは凄まじく、ダメージから復帰した悟林とベジータでさえついていけないほどにハイレベルなものだった。

どちらも本気ではなく準備運動みたいな物なのだろう。

悟空がフリーザの蹴りを受けて海に沈んだが、少しの間を置いて繰気弾のように操作するかめはめ波が海から飛び出してきた。

「あれは…宇宙船の修行で」

威力は通常のかめはめ波に劣るものの、操作出来るために相手の動きを限定することが出来る。

2発目の後に悟空は海を飛び出してフリーザの背後を取って蹴りを浴びせて地面に叩き付けた。

「奴の注意を逸らし、超スピードで奴の背後を取ったか」

口で説明すると簡単だが、悟空以外では説明しているベジータを含めて誰にも出来ない。

後はフリーザが気の感知が出来ないと言うのも大きな理由だろう。

次はフリーザが超能力を駆使して岩を飛ばしていく。

悟空は岩をかわしていくが、フリーザは先程の意趣返しとばかりに悟空の背後を取って金縛りをかけると、小島に向かって飛ばされて大爆発が起きる。

悟林もベジータは顔を腕で庇いながら爆心地を見遣り、ピッコロ達も吹き飛ばされそうになるが、何とか耐えていた。

「お父さんは…」

「あれくらいで死なん…ナメック星人共の後ろだ。」

「え?」

ピッコロ達の方を見ると確かに悟空がいた。

「ふうっ…ちょっとやばかったよなあ!今の攻撃には気を付けねえとな…」

「お父さん、ひょっとして…」 

「爆発の瞬間から超スピードで抜け出したんだ…全く頭に来やがるぜ…最下級戦士に超エリートの俺が抜かされるなど…」

ベジータの胸中は複雑だろう。

最下級、落ちこぼれと蔑んでいた存在が自分よりも上のステージに立っているのだから。

闘いの舞台は地上に移り、悟空が猛攻を仕掛け、フリーザは何故か足だけで闘っていたがほぼ互角だ。

しかし形振り構わない悟空の攻めにフリーザは耐えかねたのか遂に腕を使った。

そこから再び睨み合う両者。

「ベジータさん、お父さん勝てるかな?」

「知るか…頭に来るが奴らの戦闘力は俺達のレベルを遥かに超えている。ここでカカロットが勝てなければ俺達は死ぬだけだ」

そして沈黙が破れ、悟空はフリーザの一撃を受けて吹き飛ばされた。

悟空も戦闘力を10倍にする10倍界王拳を引き出して闘うものの、10倍化したパワーもスピードもフリーザには通用しなかった。

徐々にフリーザはパワーを上げていき、悟空は防戦一方となっていく。

「貴様がやられたら俺達に後はない…!何とかしやがれカカロット…!」

ベジータの表情にも焦りが見え始め、フリーザは次の瞬間大地を斬り裂いた。

「な、何て技なの…」

あまりの威力に悟林やベジータも、少し離れた場所で闘いを見ていたピッコロ達も驚いている。

悟空は着地すると赤いオーラを纏い、10倍状態の倍である20倍界王拳を発動し、急激な戦闘力の上昇にフリーザは対応出来ずに吹き飛ばされる。

悟空の追撃をかわしたフリーザに渾身のかめはめ波が放たれたが、フリーザはそれを片手で防いでしまった。

限界を超えた界王拳の反動によって悟空の気が大幅に減ってしまう。

「に、20倍の界王拳でも駄目なんて…」

「…くそったれ……俺達の考えは相当に甘かったらしいな…」

何度も瀕死から復活すれば勝てると思っていたが、フリーザの強さは多少のパワーアップでどうにか出来るものではなかったのだ。

最早悟空は抵抗らしい抵抗も出来ずに攻撃を受け続けるだけだ。

「私…!」

もう我慢出来ずに飛び出そうとする悟林にベジータは何かに気付いたのか声を上げた。

「待て!何だあれは?」

「え?」

改めて悟空の方を見ると両腕を上げていた。

そして少しずつ周囲の気が悟空の真上に集まっていく。

「カカロットの奴は何をするつもりだ…?」

「元気玉だよ。」

「元気玉?」

「えーっと、元気玉は人間や動物や植物…自然にある全てのエネルギーを貰って攻撃するの…ベジータさんが喰らったあの青い玉だよ」

それを聞いたベジータの表情に苦いものが混じる。

「チッ…嫌なことを思い出させるぜ…カカロットめ…サイヤ人に相応しくない技を…」

「効くか分からないけどね…ナメック星人さん達が生きていれば…」

この星はフリーザにたくさん傷つけられているし、生き物の数だってそう多くなさそうだ。

だからといって、界王拳が通じないのでは元気玉ぐらいしか勝てそうな見込みがないのも確かで。

次の瞬間、大気が震えた。

辺りを見回して真上を見ると大きなエネルギー弾が出来ていた。

「あの時とはサイズが違うな…」

実物を見たベジータは当時の元気玉と今の元気玉の違いに驚く。

「多分お父さんは他の星からも元気を分けてもらってるんだ。もっと大きくして強くしないとフリーザを倒せないから…」

フリーザの底無しの強さを心身に刻まれた悟林は悟空の考えを理解する。

「カカロットめ…いつまでもたついてやがる…早く完成させやがれ…!」

次の瞬間、フリーザに悟空が蹴り飛ばされ、悟空は何とか立ち上がるものの、フリーザの気合砲で吹き飛ばされて海に落ちる。

そしてフリーザが海に近付き、何かに気付いたようだ。

「気付かれた…!」

「チッ!」

ベジータは一瞬焦るが、すぐに覚悟を決めた表情をしてフリーザに突撃し、悟空にとどめを刺そうとしているフリーザを蹴り飛ばし、それを追い掛けた悟林が魔閃光をフリーザに直撃させ、海に落下させた。

「お、おめえ達…」

「お父さん、大丈夫!?」

「あ、ああ…ベジータ…ま、まさかおめえに助けられるなんてな…」

「ふん、我慢するんだな。俺だって貴様を助けるなど反吐が出そうだぜ」

「ふ、2人共!喧嘩してないで!お父さんは早く元気玉を!」

「ああ!すまねえ!」

悟空は元気玉の元気集めを再開し、ピッコロもこちらに現れた。

「ピッコロさん!」

「遅くなったな…」

「ふん、ナメック星人の雑魚が何しに来やがった?せっかく生き返ったのにわざわざ死にに来たか?」

「言ってくれるぜ…貴様らだけでは時間稼ぎも出来そうにないから来てやったのによ」

「だから喧嘩しないで!来るよ!」

フリーザは海から飛び出して地面に着地すると悟林達を睨んだ。

「やれやれ、慌てなくてもそいつを始末したら君達も始末してあげたのに……そんなに死に急ぎたいか!良いだろう、それならお望み通りにしてやる!!」

「サイヤ人を舐めるなフリーザーーーっ!!」

「「はーーーっ!!」」

こちらに突撃してくるフリーザに3人が気功波を放った。

気功波が直撃したにも関わらずフリーザにはダメージはない。

一瞬驚愕するが、すぐに3人もフリーザに突撃する。

「はあああ!!」

「でやあああ!!」

「ちぇりゃああ!!」

「邪魔だ!」

3人がフリーザにラッシュを仕掛けるが、戦闘力が大きく劣る3人の攻撃を捌いて気合で吹き飛ばすと悟林をまず尻尾で弾き、ベジータの腹に拳を叩き込み、ピッコロを蹴り飛ばす。

「あ…うう…!」

腫れた頬と痛みに耐えながら立ち上がろうとした時、フリーザが悟林の胸倉を掴んで持ち上げる。

「どれだけ小細工を使おうが貴様らが俺に勝つことなど無理なんだ!!」

「うぐぐぐ…無理だって分かっててもやらなきゃなんない時だってあるんだーーーっ!!」

顔を真っ赤にするほどに力を入れてフリーザの手を引き剥がそうとする。

「滅びろサイヤ人!!」

片手に気弾を作り出し、悟林を消し飛ばそうとするフリーザ。

「滅びるものか…!」

「っ!ベジータ!」

膝を着きながらもフリーザの腕を掴むベジータ。

「戦闘民族サイヤ人は不滅だ!!サイヤ人に不可能など…」

「ぬおっ!?」

「あるものかーーーっ!!」

フリーザを投げ飛ばし、渾身のギャリック砲を直撃させる。

「はあっ!!」

そこに駄目押しとばかりにピッコロか気弾を連射する。

煙を腕の一振りで吹き飛ばすと怒りに染まった表情で4人を見下ろした。

「カカロット!元気玉とやらはまだ完成せんのか!?」

「いや、まだ足りねえ…もう少し…もう少しだけ耐えてくれ!」

言っている悟空自身理解しているだろう。

フリーザ相手にその“もう少し”がどれだけ苦行なのかを。

「ピッコロさん、フリーザの奴…怒ってるね」

「ああ、完全にキレてやがる…」

次の瞬間、2発の気功波がフリーザに直撃し、ピッコロ達の視線が気功波が飛んできた方角を見遣ると、クリリンと悟飯が構えていた。

「あいつら…残り少ねえ気で無理しやがって…」

「もうここまでだ!この星諸とも、貴様らをゴミにしてやるーーーっ!!」

星を壊そうと気を指先に集めたフリーザ。

同時に悟空の元気玉が出来上がる。

「よし!出来たぞ!」

「お父さん!」

「「やれーーーっ!!」」

悟空の両腕が、下に向かって大きく振り下ろされた。

元気玉は悟空の腕の動きに従うようにフリーザに迫り、そして押し潰した。 
 

 
後書き
ゼノバースやゲームのおかげで本当にネタに困らないわ 
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