おぢばにおかえり
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第六十七話 春休みが終わってその二十九
「器が大きくて捌けた人ですよね」
「有名人だからね」
「奥華で知らない人いないですね」
「彼あの人の布教所の信者さんのお孫さんなんだよ」
「そうなんですか」
「彼の大叔母さんが入信してね」
「その方が初代ですか」
そういえばそんなことを言っていました、自分にはお祖母さんが四人いる様な者で大叔母さんお二人が凄く大事だと。
「そうだったんですね」
「そうだよ、それでね」
「その大叔母さんを大事にしてるんですね」
「千里ちゃんのことも言うけれど」
それでもというのです。
「その人のこともよくね」
「そうだったんですね」
「物凄く慕ってるから」
それでというのです。
「彼にその人のことを聞くと喜ぶよ」
「そうですか」
「だから今度お話してみてね」
「わかりました」
「彼は好きだと物凄く嬉しそうに話すから」
「そういう子だよね」
「好き嫌いがはっきりしし過ぎですね」
「だからその人のお話をするとね」
そうすると、というのです。
「彼喜ぶからね」
「するといいんだね」
「そのことは覚えておいてね」
「わかりました」
杉浦さんに答えました。
「今度彼に聞いてみます」
「つまり明日だね」
「明日もここに来るんですね」
「絶対に来るから」
杉本さんは私に物凄くにこにことして言いました。
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