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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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14-⑺

 もう、年末の休みも迫っていたが、中林部長から、飲みに行かないかと誘いを受けた。僕は、少し、戸惑ったが、快く受けた。事情を知っている愛ちゃんも行きますと言って来たのだが

「それは、中林部長に了解もらってこいよ 僕は、なんとも・・」

 結局、仕事終わりに、梅田の焼肉屋に3人で居た。

「二人は、良く、飲みにいくの?」と、部長が第一声、言ってきたが

「全然なんですよー 三倉君 すごーい愛妻派なんですよー 真っ直ぐ、家に帰るし・・ もっとも、会社出るのも遅いんですけど」と、言っていたが、僕は、「それも、あるけど、今は、遊んでいられないんだよ」と、言いたかった。

「部長 お嬢さん 来年 受験なんですよね」と、愛ちゃんがつないでくれた。

「そうなんよ 芸大受けるんだ だけど、あいつ、下の子もいるから、気使ってくれてな 落ちたら、信楽に弟子入りするって 陶芸志望なんだけどな」

「親思いなんですね でも、可愛いんでしょう?」

「うん 女の子だからな でも、茶碗を目指されてもなぁー もっと 実のあるもんならな」

 世間話ばっかりで、なかなか誘ってくれた本当の目的を掴めないでいたが、

「ワシは、相馬部長に、入社した時、お世話になってな あの人には、逆らえないんだよ 社長にも勿論なんだけど だから、今回、ふたりに言われたもんだから・・ でもな 確かに、三倉君の言うように 転機なんだなって あの後思った。だから、今度は、ワシも思い切ってやるよ ふたりとも、頼むぞ あー もっと食べろよ 若いんだから・・ 社長からも会議費で落としてもいいぞと言ってもらったから、遠慮するなよ」

「ハイ! じゃぁ、遠慮なしにいただきます」と、愛ちゃんは、追加注文をしていた。

「ところで、何か、構想みたいなの固まってきたか?」と、僕に聞いてきた。

「えぇ ぼんやりと・・やっぱり、営業の立場としては、冷凍よりレトルトの方がやりやすいんでしょうね?」

「そうだなぁー 冷凍の場合 ケースの枠があるから、実績がないと入り込むのは、制限されるだろうな」

「レトルトになると、ご飯との兼ね合いが、処理時間の調整が難しいなって思っているんです それにレトルトだと、ご飯のふっくら感が・・」

「三倉君は、社内製造と考えているのか? 外注も考えているのか?」

「できれば、社内で・・ でも、まだ、そこのところは・・」

「そうか 外注も考えてみても、ワシはいいと思う 第一に ウチよりもノウハウを持っている所もある 第二に コスト的に安くすむかも知れない そのときになれば、2.3 紹介してもいいところもあるから、言ってくれ 協力できると思う」

「ありがとうございます 専門な会社のほうが、技術力あるでしょうからね」

「うん ウチの協力会社だから、力になると思うよ」





 
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