夢幻水滸伝
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第二百二十三話 武闘場からその六
「あかんのちゃうか」
「そうですね」
言われてみればとだ、市長も考えた。
「それは」
「長春だけのことやないな」
「世界を救うとなりますと」
「そうなるな」
「この街のことだけしか考えていませんでした」
反省してだ、市長は残に答えた。
「申し訳ありません」
「謝ることもないわ」
「そうですか」
「市長さんはこの長春の市長でな」
その立場でというのだ。
「長春の政に心血注いでるな」
「この街の民と」
「それがわかる、この街はよお治まってる」
この世界の長春はというのだ。
「そやからええわ」
「左様ですか」
「ただな、やっぱりな」
「この街だけでなくですね」
「世界を救うとなるとな」
それこそというのだ。
「やっぱりな」
「長春だけでなく」
「そや、おらっちは長春を含めてや」
「他の街や村をですね」
「まずは勢力圏に収めて」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「他の街や村を収めて」
「治めていかなあかんやろ、そしてまずはな」
残はさらに話した。
「この吉林省を統一しよか」
「この省を」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「治めていきたい」
「そうしてですか」
「そこから他の星のモンとも手を結んでいって」
「大きな勢力となられ」
「この世界を救うだけの力を手に入れたい」
「そうお考えですか」
「我としてはな」
「そうですか」
「そやから市長さんはな」
彼にあらためて話した。
「このままな」
「この街の市長としてですか」
「この街を治めてくれるか」
こう言うのだった。
「ええか」
「そう言われるなら」
それならとだ、市長は残の言葉に頷いた。
「謹んで」
「市長としてな」
「これからも働かせてもらいます」
「さて、ほな旗揚げさせてもらう」
残はあらためて述べた。
「それでや」
「この世界を救う為に」
「働いてくで」
「宜しくお願いします」
こうしてだった。
残は長春を拠点として旗揚げを宣言し長春からその周辺の街や村に旗揚げのことを告げた。するとだった。
幾つかの街や村は早速彼の下に入った、ここで彼は引き続き武闘場のスカウトも行っている女に話した。
「まずはこれでええやろ」
「幾つかの街や村が入ったので」
「それでな」
今の時点ではというのだ。
「満足すべきやろ」
「そうですか」
女はいぶかしむ顔で応えた、もう彼は自分が所属している勢力の棟梁になるので口調も態度も変わっている。
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