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夢幻水滸伝

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第二百二十三話 武闘場からその四

「ほなな、それで市長さんにな」
「会ってくれるんだね」
「そうするわ」
 女にも答えた。
「ちょっと考えたけどな」
「それじゃあね」
「ほな何時会うか」
「それはこっちで決めていいかい?」
「役所の方でな」
「そうさせてもらっていいね」
「ああ、そっちは頼むわ」
 残は卵焼きを食べつつ応えた。
「そういうことでな」
「それじゃあね」
「ああ、しかしやっぱり家鴨の卵美味いわ」
 残は女との話を終えて今度は食事の話をした。
「鶏もええけどな」
「家鴨もいいな」
「ああ、ピータンもええし」
 サイクロプスの拳法家にも応えた。
「こうして卵焼きにしてもな」
「それはそうだな、じゃあ俺も次はそれ食うか」
「羊の後はやな」
「そうするか」
「ほなおらっちはピータンにするか」
「卵焼きの次はだな」
「ああ、そして飲むか」
 さらにというのだ。
「そうするか」
「ええんちゃうか、ほなな」
「さらに飲むわ」 
 こう言って実際にだった。
 残は卵焼きの次はピータンを注文してそれを食べても飲んだ、そして次の日はまた試合に出て圧倒的な強さを見せた。
 そして女が市長と会う話を進めていたがその中で。
 街に巨人が出た、それで街は大騒ぎとなった。この時残は武闘場にいたが女がその場に駆け込んできて言った。
「あんた達も手伝ってくれるかい?報酬は特別に出すよ」
「巨人が出たのかよ」
「それは大変だな」
「すぐに行って何とかしないとな」
「大変なことになるな」
 皆この時は試合がなく稽古をしていた、その中で言った。
「じゃあ行くか」
「ああ、街の人達にも犠牲が出るしな」
「報酬も出るっていうし」
「すぐにな」
「おらっちも行くわ」
 残は鋭い目で述べた。
「それで巨人は何処におるんや」
「街の北の外れだよ」  
 女は残にすぐに答えた。
「そこに出たんだよ」
「街のか」
「そうだよ、すぐにそっちに行ってくれるかい?」
「わかった、あそこは知ってる」
 だからだとだ、残は女に応えた。そうして。 
 移動の術ですぐにその場に向かった、するとそこには一体の雷巨人がいた。そしてその巨人を見るとだった。 
 残は跳び上がりその首に不動索をかけた、索はすぐにそれこそ巨人が何かする前に首にからまりそうしてだった。
 残が力を入れると索に紅蓮の炎が宿り巨人をその炎で瞬く間に焼き尽くした、巨人は倒されると金塊の山に姿を変えた。
 ここでやっと軍や警察それに招集をかけられた武闘場の者達が来た。だが。
 彼等は残が巨人を一瞬で倒したと聞いて仰天した。
「巨人を瞬殺!?」
「一体で街を壊し尽せるんだぞ」
「その巨人を瞬殺だと!?」
「強いと思っていたが格が違うな」
「一体何者なんだ」
「この人どういった人なんだ」
「貴方只者ではないな」
 ここで清朝の高官の服を着た山羊人の初老の男が残に問うてきた。 
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