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八条学園騒動記

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第六百四十二話 修羅道その四

「幕府も国でそれぞれの藩もな」
「国だったか」
「三百以上の国がある状況だった」
「それだと本当に連合だな」
 フランツもその話を聞いて言った。
「本当に」
「そうだな、しかしまとまっていてな」
 そうしてというのだ。
「幕府と藩が争うこともな」
「なかったか」
「幕府は藩を取り潰せた」
 その権限があったというのだ。
「不祥事があればな」
「そうだったのか」
「だから潰された藩も多い」
「そうなのか」
「だが連合は国は誰にも潰されない」
「存在し続けるな」
「盛衰はあってもな」
 それでもというのだ。
「存在し続ける、そしてだ」
「そのうえでだな」
「それぞれの国がな」
 まさにというのだ。
「勝手に動く、外交権もある」
「それも違うか」
「徳川幕府は外交は幕府だけが行っていた」
「そうだったか」
「そこも違っていた」
 全く、そうした言葉だった。
「連合では各国同士で外交をしていてな」
「揉めるな」
「マウリアともそうしてだ」
 外交を行ってというのだ。
「駐在する人位だがサハラともだ」
「外交をしているか」
「中央政府が国交を結んでいる国とな」
 だからエウロパとは外交関係を結んでいる国はない、その代わりどの国もエウロパを敵視している。
「そうしているな」
「そうだな」
「これは神聖ローマ帝国だ」
 こちらの国だというのだ。
「あの国は各国が外交権を持っていた」
「それでか」
「自由に行動していた」
「それでか」
「連合と同じだな」
「言われてみるとな」
「そして神聖ローマ帝国の中の国々は皇帝の下にいたが」
 申請ローマ帝国皇帝のだ。
「国益によっては皇帝と対立していた」
「皇帝の下にいてもか」
「皇帝も領土を持っていた」
 そうだったというのだ。
「後にハプスブルク家がなるが」
「オーストリア王家だな」
「今のな、皇帝は確かに強い君主だったが」
 それでもというのだ。
「それは帝国の中で駄、他にもだ」
「君主がいたか」
「皇帝はそのトップ、首長の様なものでだ」 
 そうした存在でというのだ。
「絶対者ではなかった」
「そうだったのか」
「それで国益によってな」
 それぞれの国のそれにというのだ。
「皇帝と戦うこともだ」
「あったか」
「それも武力でな」 
 これを用いてというのだ。
「連合ではそれはないがな」
「戦争はないな」
「連合は平和ではある」
 このことは紛れもなく事実だというのだ、千年の平和という言葉があり戦争はおろか各国間の武力衝突が起こったこともない。 
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