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八条学園騒動記

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第六百四十一話 餓鬼道その四

「しかしな」
「それでもか」
「教師だけはそうだ、ただ連合でエウロパを言っているからな」
「人気はないな」
「全くだ」
 まさにというのだ。
「だから選挙に出てもな」
「勝てないか」
「そしてエウロパ寄りというのも噂でね」
「証拠はないか」
「証拠を掴まさせないみたいだ」
「余計に厄介だな」
「中央政府も各国政府も警戒しているが」
 その組合をというのだ。
「それでもだ」
「尻尾を掴ませないでか」
「中々だ」
 これがというのだ。
「それでずっとな」
「連合にいてか」
「碌でもない教師がのさばる原因になっている」
「嫌な話だな」
「それで教師はだ」
「ヤクザ屋さんかタブロイドの記者か」
「そうしたレベルの奴が多い」
 連合で最底辺とみなされている連中の様なというのだ。
「現実としてな」
「そういうことか」
「それで碌でもない奴がな」
「なってか」
「碌でもないことをする」 
 こうフランツに話した。
「碌でもない奴が碌でもないところに入り」
「禄でもないことをするか」
「そうなっている」
「悪い奴は悪い場所に集まるか」
「そして悪事を働く」
「類は友を呼ぶか」
「そういうことだ」
 フランツにその通りだと答えた。
「要するにな」
「そして同じ様な連中が同じ様なことをするんだな」
「だから餓鬼はな」
「餓鬼道に集まるか」
「そして大物は餓鬼にはならない」
「小者がなるか」
「悪人でも大物は違う」
 器のある者はというのだ。
「やはりな」
「それだけのことをするか」
「悪事をするにしてもな」
「さっきそんなことを話していたな」
「そうだ、大物はな」
 そうした者はというのだ。
「悪事もな」
「大きいか」
「そしてそれなりの筋もな」
「あるか」
「小悪党にはそれがない」
 筋がというのだ。
「全くな」
「ただ自分のことだけでか」
「私利私欲や保身でだ」
 そうしたものの為にというのだ。
「悪事を為してな」
「自分だけか」
「そして悪意に満ちている」
「自分だけでか」
「しかも悪意も自分だけだな」
「私情だな」 
 それだとだ、フランツも答えた。
「悪意は」
「そこに公はないな」
「自分の中にある悪い感情だな」
「それが悪意でだ」
 それでというのだ。 
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