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マンドラゴラ

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第二章

「私も」
「そやね」
「命は同じです」
「やっぱり大事やね」
「人でも誰でも同じです」
 命の価値はというのだ。
「僕達は生きる為に食べます」
「そして命を頂くね」
「それは避けられません」
「生きてる限り命を奪う」
「それは生きている者なら誰でもです」
「そやね」
「しかし無駄にです」
 太宰は強い声で述べた。
「罪のない命を犠牲にすることは」
「止めるべきや」
「左様です」
「そやね、どないしたらええやろ」
「ならばです」
 太宰は綾乃に述べた。
「考えがあります」
「そやの」
「はい、罪のない命を奪うことが問題です」
「それや」
「自分達の目的の為に。ならば」
「それならやね」
「手に入れたい者が引き抜いて」 
 そのマンドラゴラをというのだ。
「そして死んでです」
「復活させてもらえばええんやね」
「そのやり方もあります」
「それを法で定めるんやね」
「そうしましょう、そしてもう一つあります」
 太宰はさらに述べた。
「罪のない者を犠牲にするのではなく」
「罪人をやね」
「罪のある者ならです」
 つまり罪人ならというのだ。
「用いてもいいですね」
「ええと思うで」
 これが綾乃の返事だった。
「罪人は罪人やしな」
「そやからですね」
「罪のない生きものの命は重いけど」
「罪を犯した者の命は」
「それが過失犯やと兎も角」
「確信犯で凶悪犯なら」
「もう死刑にせんと」
 さもないと、というのだ。
「牢に入れてるだけで税の無駄やし」
「実際にそうなっていますね」
「牢作るのもお金かかってるし」
「そして罪人に食べさせる食事も」
「服もあるし」
「税がかかります」
「罪人を牢に入れるにも」
 それについてもというのだ。
「永牢とかにしてずっと入れたら」
「我々の起きた世界では死刑廃止論が出ていますね」
「欧州とかで多いね」
「実際に死刑を廃止しまして」
 太宰は実例を話に出した。
「そしてです」
「死刑になる様な凶悪犯ずっと刑務所に入れて」
「税がかかっています」
「その分な」
「人を何人も平気で嬲り殺しにしてもです」
「死刑にならんでな」
「何十年も税金で生きるのです」
 善良な市民が払うそれでだ。
「これだけ無駄なことはありません」
「ほんまにそやね」
「そのことから考えましても」
「罪人に容赦したらあかんわ」
「例えば強盗殺人で何人も殺してお金を奪う」
 こうした話も実際にあった。 
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