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八条学園騒動記

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第六百三十九話 踊ることもその八

「臨機応変にもな」
「動けるのね」
「そうした宗教だからな」
「政教分離もして」
「近代国家にも適応してだ」
 そうしてというのだ。
「国益にもだ」
「関わらないのね」
「国益は政治の話でだ」
 それでというのだ。
「関わるものじゃない、それにだ」
「それに?」
「国益がもたらされると幸せになるな」 
 ギルバートはこう言った。
「市民が」
「その通りよ」
 アンもはっきりと答えた。
「もうそれこそが政治よね」
「その目的だな」
「だからイスラエルも求めてるわ」
 他の国が言うに貪欲なまでにだ。
「そうしているわ」
「そうだな」
「けれどどうしてもそこに宗教が入るのがね」
「イスラエルだな」
「連合一国益を求める国と言われていても」
 それでもというのだ。
「どうしてもね」
「信仰が入るか」
「だから信仰が入らないと」 
 それならというのだ。
「純粋になるけれど」
「国益を求めるか」
「例えばユダヤ系は海産物はね」
「海老や鰻はだな」
「食べないから」
 ユダヤ系の戒律に従ってだ。
「だから輸入なんてね」
「しないか」
「売れても採ることすらね」
「当然養殖もしないな」
「見向きすらしないわ」
 それこそというのだ。
「イスラエルだと」
「鰻は連合各国で売れるがな」
「そうよね」
「だが国内市場もないしか」
「輸出もね」 
 これもというのだ。
「しないのよ」
「そうなのだな」
「そしてね」
 アンはさらに話した。
「他の戒律に反するものもね」
「利益が確実でもか」
「手を出さないで」
「利益にしないか」
「そうなのよ」
 これがというのだ。
「イスラエルだとね」
「そこは損をしているな」
「例えば日本人に鰻を売ろうとね」
 そう考えてというのだ。
「養殖しようとかは」
「考えないか」
「若ししたら」
「漁で獲ってもだな」
「放さないと」
 漁でもというのだ。 
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