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八条学園騒動記

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第六百三十九話 踊ることもその六

「それでね」
「その結果だったな」
「最後サムソンが最後の力を振り絞って」
「建物の柱を破壊してだ」
「敵を道連れにしたのよ」
「そうだったな」
 ギルバートもこの話を知っていて頷いた。
「壮絶な結末だな」
「特攻隊みたいな」
 アンはここでこうも言った。
「昔の日本軍の」
「神風特攻隊だな」
「ああしたね」
 死を賭けた戦いだというのだ。
「命を捨ててまで敵を道連れにした」
「凄いものだな」
「そう、そしてね」
「ユダヤ系の人は今もか」
「そう、殆どの人はね」
「髪の毛を切らないか」
「女の人は特にね」
 そうしているというのだ。
「それで男の人もね」
「髭を生やしているか」
「そうしているの」
「成程な」
「ただキリストってね」
 キリスト教の彼の話もするのだった。
「あの人お髭ない絵あるわよね」
「あるな」
 この時代の連合ではわりかし見られる。
「そういえば」
「エウロパでは絶対に凄く長い濃いお髭だけれどね」
「髪の毛も長くてな」
「お顔ラテン系で」
「ラテン系の筈がないな」
「だってヘブライ系だから」
 丁度ローマ帝国前期の頃のだ。
「あのお顔はないしお髭ないこともね」
「ないな」
「絶対にあったわよ」
 髭はというのだ。
「あれはおかしいのよ」
「そうか、そういえばコーランでもだ」
 ギルバートはワインを飲みつつ話した。
「イーサーとして出て来るが」
「お髭あるわよね」
「コーランの登場人物は大抵だ」
 キリスト即ちイーサーだけでなくというのだ。
「髭はある」
「そうよね」
「ただ顔はアラビア系でだ」
 そちらの顔でというのだ。
「服はイスラムだ」
「そっちね」
「イスラムで絵はあまりないがな」 
 偶像崇拝につながるからだ、その為この時代でもイスラム圏においては人物画はあまり見られない。
「しかしな」
「そっちよね」
「イーサーもな」
「しかも死んでないし」
「コーランでそれぞれの話の主人公は滅多に死なない」 
 コーランのこの話もした。
「何度も言うがな」
「だからよね」
「イーサーもな」
 その彼もというのだ。
「普通にだ」
「死なないのね」
「生きてだ」
 そしてというのだ。
「ハッピーエンドを迎え未来にな」
「大仕事をするのよね」
「ちなみに原罪もない」
 イスラム教にはというのだ。 
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