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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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10-⑶

 私 堤さんにお願いするので、お伺いしていた。

「堤さん お忙しいのに、すみません」

「べつに構わないよ 設計のことかな?」

「ううん こんなこと、私 堤さんにしか頼るひと居なくって・・」

「いいよ 妹さんのことだろう 話してみてよ」

「私 やっぱり会いたいんですけど、もっと、気になっているのが、あの子の状況が変な男に掴まっているんじゃぁ無いかってこと」

「そうだよな 良くないと思う 俺に任せてくれるんだったら 何とかしてみるよ」

「お願いします 私なんかが出て行って、変に今のお店に影響すると・・怖くって」

「そりゃそうだよ 特に、その男にはかかわらない方がいいよ 任せとけって 力になるかどうかわからないけど」

 そのやり取りを、事務所の机で聞いていたのだろう、堤さんの奥さんが

「あんた 昔の仲間と 又・・ 美鈴さんの頼みだから仕方ないけど あんまり無茶しないでよ」と、釘を刺していた。

 それから、数日後、堤さんがお店にやってきた。気をきかせてくれたのか、設計の話でと、表に連れ出してくれた。待合所で倉庫のほうを向いて、話始めたのだ

「昔の仲間に会って、いきさつを話したんだ。そーしたら、俺の前に、その男というのを呼びつけてな 関わっている女のことを聞き出したんだよ そしたら、奴は俺のコレですよ と小指をたてて、自慢げに話出していたんだ だけど、俺のダチは怒りだして、お前はまともに働いてもいないくせに、真面目に働いている女を食い物にしている奴は最低だと・・もう、別れて、今後、関わるな 直ぐにな とも・・ あの娘は俺の仲間の昔の女だ と俺のほうを指さして言うんだよ おいおいと思ったけど・・その場のこと考えるとな― それから、言う事聞かないとみんなに言ってお前の相手をしないようにするぞー それだけじゃぁ済まないのはわかっているよなー と脅していたんだ。そーしたらな 奴は 何にも、言えなくなって、ビビってしまって、謝って、あわてて帰って行ったよ」

「堤さん 本当に有り難うございました 忙しいのに」と、深く頭を下げていた。

「もう、奴のことは、大丈夫だと思うけど・・謝らなきゃならないのは、俺のほうなんだよ すまない 店長 俺は、勝手に妹さんに、会ってしまったんだ つい、勢いで・・と言うか 我慢できなくて・・」

「えぇー 会ったんだー 話したのー」

「うん 申し訳ない 出しゃばってしまって・・ でも、ちゃんと名刺出して、礼儀正しくな 妹さんの店を終えるの待って」

「うーん でも、私も 堤さんにお任せしたんだからなー」

「ごめん やりすぎかなぁー 嫁さんにも叱られた」

「で どんなお話?」

「まず 付き合っている男のことから、話した。もう、関わりがなくなるだろうって 彼女は困惑しているみたいだったけど、少し、安心もしていたみたいだった それで、本題を切り出した 店長が探していることを そーしたら」

「そーしたら なんて?」

「うーん あんまり、会いたくないって 店長のこと、恨んでいるんだってさ」

「えー どうしてー? 私がー」

「あの時 彼女も迷っていたらしい どうしたらいいのか、だけど、お姉ちゃんは構ってくれないし、結局、お母さんの言うままに連れて行かれてしまったらしい だけど、お姉ちゃんと離れ離れになってしまって、ずーと泣いていたらしい お姉ちゃんは私を見捨てたんだと」

「そんなー 私 あの時、お父さんのことが精一杯で・・ナカミチのこともあったし・・ そうよね、構ってあげれなかったわ やっぱり、私が悪いのよね なんで、もっと、清音のことを・・」と、私、涙が出てきていた。

「そんな 泣くなよ 店の人に見られるじゃぁないか」

「だってね だって 私 どうしたらいいのー」涙が止まらなくなっていた。堤さんは、ハンカチを私にわたしながら

「ちょと 待ってよ なんか、俺がいじめているみたいだよー それでね、俺は、店長の気持も伝えておいた あの時は、仕方なかったんだと だから、一度、会って、お互いの気持をぶつけあってみたらどうかと それとね、お母さんのことも聞いてみたんだ そーしたら、あの人のことは、もう、忘れましたと冷たく言っていた。もう、誰も頼らないで、私は独りで生きていきますとも言っていたよ」

「そうなの なんかあったんだね お母さんとも」

「みたいだよ それ以上は話したくないみたいだったから でもね、昔のナカミチの時のお父さんの話を持ち出して、元気になって たまに きよね って言って会いたがっているって話したら、反応していた。会いたいと思っているんじゃぁ無いかなぁー」

「そう やっぱり お父さんかぁー」

「いや ああは言っているけど、お姉ちゃんにも会いたいに決まっているよ 今は、バツが悪いだけで・・ナカミチが復活したことも、うすうす解っていたとも言っていたよ いつかは と思ったこともあった ということまで話し出してくれた」

「そう 少しでも、会いたいという気持ちがあってくれているんだったら 良かった」

「だからね 俺は、この際、生まれ変わった気持ちにならないか 別の仕事も見つけるし、住むところも、独り暮らしのおばぁさんが居て、一緒に住んでくれる人がいたら、大歓迎だと言う人も居るんだ。どうだろう、考えてみても良いんじゃぁ無いかな 考えて 又、来週、気持ち聞かせて と言ったんだけど 彼女 俺の名刺 しまっていたから その気無いわけじゃぁ無いと思うよ」

「なによー 堤さん そのー 独り暮らしのおばぁさんって もしかして 田中さんのこと? 仕事って何よー」と、少し怒っていたのだが

「まぁまぁ すまん 出しゃばりすぎなんだよなー 怒るなよー」

「ちがうの 私 怒っているのは そこまで、してくれるなんて・・ 私 奥さんに何て言われるか 叱られちゃうよー 田中さんのおばぁさんだって」

「いいんだよ 美鈴さんのことならと、納得してくれているよ」
 

 
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