ヘタリア学園

第八百二十三話　　六人揃えば
　このホクオウチーム、六人揃えばまさに無敵です。そのチームワークも思った以上に遥かにいいものです。少なくともレンゴウチームよりは遥かにいいです。
「何でうちのチームだけこんなに仲が悪いんだよ」
「御前の過去が大きく影響してるに決まってるだおるがよ」
　ホクオウチームの仲のよさに歯軋りするイギリスに対してフランスが言います。
「戦力はこっちがダントツなのによ」
「まあ言っても仕方ないから諦めろ」
　こう言ってとりあえずイギリスのジェラシーを止めます。それを抜きにしてもこのチームのチームワークもかなり卓越したものです。
　その卓越したチームワークで動いている六人。シーランドが勢い余ってこけようとしたらすぐにスウェーデンがその身体を支えます。
「あっ、どうもです」
「んっ」
　無表情ですがフォローは見事です。まるで何でもないようにさりげなく守ってくれるのが実にヒーローらしくて素晴らしいです。
　お互いの足りないところをさりげなく支え合うこのチーム、それはデンマークとノルウェーの間でも同じです。
　口ではさりげなくいびっていますがデンマークが掃除し忘れたところをそっと掃除するノルウェー。やっぱり彼もフォローが見事です。
「何かうちのチームってかなりいいですよね」
「おうよ、チームワークは最高だっぺよ」
　デンマークが明るくフィンランドに対して答えます。
「ちょっとばかり女の子がいないのが困るだけだっぺな」
「そうですね。本当にそれだけですよね」
「とりあえず応援してくれる女の子募集だっぺ。これじゃあ太陽戦隊だっぺよ」
　女の子のメンバーが一人もいなかった伝説の戦隊のことまで話に出る程女ッ気のないこのチーム、しかしヒロインぎないかというとそうでもないのでした。


第八百二十三話　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００９・６・２６