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ヘタリア学園

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第八百六話  この人も見えます

第八百六話  この人も見えます
 ノルウェーといえば北欧神話です。そしてこの北欧神話には実に様々な種族が出て来ます。ドイツのお家の作曲家であったあのワーグナーの作品にも出て来るあの人達です。
「巨人に小人だが」
「それがどうしたっけ?」
「御前見えるんだよな」 
 彼に尋ねているのはイギリスです。その妖精が見えると言って周りから奇人変人扱いされているこの人です。
「あの連中が」
「んだ。あんたも見えるんだな」
「そうだよ、見えるんだよ」
 イギリスはここぞとばかりにノルウェーに対して話します。
「御前も見えるのか。奇遇だな」
「そだな。トロールとかドヴェルグとか」
「ああ、御前の国に今でもかなりいるぞ」
 イギリスの言葉が上ずってきました。どうやら彼の他にも見える人がいると知って機嫌がよくなったようです。
「明るく楽しく生きてるな、今でも」
「じゃああんた戦いの時に空に見えっか?」
 今度はノルウエーの方からイギリスに尋ねてきました。
「あの片目の神様。それと鎧兜で武装した女の人達」
「ドイツも見るっていうあれか」
 その人達が何者かも当然のように知っているイギリスです。
「見えるぜ。本当に俺達似てるよな」
「そだな」
「じゃあよ、今度こそEUに入らないか?もう席用意して待ってるんだけれどよ」
「それはいい。僕は僕一人でええけ」
 この誘いは断るのでした。何かどうにも不思議な青年です。何はともあれ彼もまた北欧の重要なメンバーなのです。


第八百六話   完


                                      2009・6・17
 
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