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おぢばにおかえり

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第六十六話 好き嫌いその四十一

「それじゃあ」
「帰りましょうね」
「そうしましょう」
「先輩は僕がボディーガードしますし」
「そんなことしなくていいわよ」
 お家の傍ですしそんな心配はいいと返しました。
「別に」
「いいですか?」
「ええ、だってお家のすぐ傍だしね」
「それでも何時誰が出るかわからないですから」
「お家の近くでも油断したら駄目なの」
「穿破に何かあったら絶対に駄目ですから」
 何時になく強い言葉でした。
「ですから」
「それでなのね」
「はい、ボディーガードさせて下さい」
「そこまで言うなら、ただね」
「ただ?」
「前も守ってもらったし」
 ボディーガードとしてです。
「おさづけ頂いた時ね」
「ああ、あの時ですね」
「寮まで送ってもらったし」
 詰所からです。
「阿波野君って案外紳士というかナイトね」
「騎士ですか」
「そんな一面もあるのね」
 自分では物凄く卑劣で残忍で陰湿で執念深いと言っていてもです、それが案外だと私も思います。これが結構です。
「そうなのね」
「そうだといいですね」
「いいって事実私を守ってくれてるじゃない」
 寮の時でもです。
「だからね」
「僕を騎士だってですか」
「言うのよ」
「そうなんですね」
「ええ、そうした紳士的な態度はポイント高いわよ」
 そういえば雨の時一緒に歩いていると車が通る方に自然に移ります、自分が盾になって車からの水飛沫を受けてくれるつもりなのがわかります。 
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