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八条学園騒動記

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第六百三十五話 厳しい戒律を胸にその十

「共同生活もね」
「ないか」
「無茶な訓練もないけれど」
「教育はか」
「厳格一筋でね」
 そういったものでというのだ。
「今言った通りに」
「それでか」
「容赦なくね」
 それこそというのだ。
「ユダヤ教の戒律を叩き込まれて」
「そこから少しでも出るとか」
「物凄く怒られるのよ」
 そうなるというのだ。
「ラビの人にね」
「本当にラビがよく出るな」
「それがユダヤ教なのよ」
「そしてイスラエルなんだな」
「間違っても不純異性交遊なんてしたら」
 その時はというと。
「刑務所行きよ」
「刑務所か」
「そう、怒られるどころかね」
 それで済まずにというのだ。
「いやらしい本とかもね」
「厳禁か」
「そうしたものも持っていたら」 
 その場合はというと。
「地獄の説教部屋行きで停学になって」
「持っているだけでか」
「停学の間ずっとユダヤ教のモスクで朝から晩まで奉仕活動よ」
「厳しいな」
「その厳しいのがイスラエルってことよ」
「よくそれで言論の自由とかあるな」
「あるにはあるのよ」
 それ自体はというのだ。
「ただね」
「信仰の自由はないんだな」
「思想の自由はあってもね」
「ユダヤ教徒じゃないと市民になれないしか」
「同性愛も重罪だし」
「それはイスラエルだけだな」
 ギルバートはこれまで以上に真顔になった。
「今じゃ同性婚もな」
「いいしね」
「連合のどの国でもな」
「あとエウロパでもね」 
 連合の敵であるこの国でもというのだ。
「そうよね」
「そうだな」
「けれどね」
「イスラエルだけではだな」
「戒律で禁じられているから」
 それ故にというのだ。
「ソドムとゴモラと同じだってね」
「あの二つの街か、偶像崇拝もしていたな」
「それはユダヤ教でも厳禁よね」
「しかし流石に同性愛はな」
「今は、よね」
「いい」
「けれどイスラエルでは」
 この国ではというのだ。
「同性婚もね」
「なくてか」
「同性愛が嫌なら」
 それならというのだ。
「出て行け」
「国外追放か」
「偶像崇拝もね」
 こちらもというのだ。
「改宗しないとね」
「死刑か」
「同性愛も下手したら」
「厳しいな」
「特に日本じゃ寛容だけれどね」
 今自分達がいる国はというのだ。
「歴史上それで捕まった人いないし」
「一人もいないな」
「それで敵討ちにもなったわね」 
 同性愛の恋愛のもつれでだ。
「そうだったわね」
「荒木又右衛門だな」
「そうしたことなんてね」
「イスラエルでは絶対にないな」
「そうなった時点でアウトだから」
 同性愛のそれでというのだ。
「もう関係者全員ね」
「重罪人か」
「無期懲役か」
 若しくはというのだ。
「死刑もね」
「有り得るか」
「日本みたいにはいかないのよ」
 同性愛で捕まった者が歴史上一人もいない国とはというのだ。 
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