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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百十一話 怪物達、また騒動を起こすのことその三

 その舞台についてだ。張飛がこう述べた。
「相変わらず無意味に派手なのだ」
「だよな。袁紹さんらしいよな」
 馬超が張飛のその言葉に頷く。
「大きくて派手なことばかり好きだよな」
「で、また鰻できないからすねているのだ」
「あれはちょっと無理だろ」
「というか鰻を好き過ぎるのだ」
 二人にとってはどうしても受け入れられないものだった。しかしだ。
 その二人にだ。孔明が言ってきた。
「あの」
「何なのだ?」
「もう準備かよ」
「そうです。お二人共舞台衣装に着替えて下さい」
 そうしてくれと。二人に言ってきたのである。
「そろそろはじまりますから」
「わかったのだ。それなら」
「今から着替えるな」
「服は色々ありますから」
「問題はどんな服があるかだよな」
 馬超は困った顔になった。ここで。
「あたしな、結構色々な服着させられるからな」
「だって翠さん奇麗ですから」
 だからだとだ。孔明はその馬超に話す。
「それも当然ですよ」
「当たり前なのか?」
「はい、お顔だけでなくスタイルもいいですから」
「スタイルなあ。そんなにいいか?」
「いいです」
 断言だった。今の孔明は。
「私なんか胸はないし背も小さいし」
「そうか?朱里も可愛いだろ」
「けど。胸が」
 孔明は暗い顔になっていた。彼女にとって最大の悩みであるのだ。
「ないですから」
「その通りなのだ。格差社会なのだ」
 張飛も珍しく弱々しい顔になる。
「愛紗なんかそれこそ富める者なのだ」
「あと桃香様もです」
 孔明は劉備もそうだと指摘した。
「何かもう見ているだけで辛くなります」
「まあそれを言ったら話がまとまらないからな」
 馬超はここでは二人を慰めにかかった。そのうえでの言葉だった。
「とにかく今はな」
「はい、舞台の用意です」
「とりあえず服を選ぶのだ」
 こうしてだ。三人は衣装合わせに向かった。そうしたのだ。
 遂に大会がはじまった。まずは。
 アテナが歌う。その後ろには。
 テリーにナコルル、草薙、そして彼もいた。
 その彼の姿を見てだ。誰もが呆然となった。
 荀彧は衣装に金髪の桂、それに緑と白のドレスを着てからだ。舞台を見て言った。
「嘘、あの男が草薙君と一緒なんて」
「草薙君?」
 許緒、ピンクのドレスで髪を下ろした彼女はそこに突っ込みを入れた。
「何で草薙君なのよ」
「あっ、まあ飲んでるうちに仲良くなって」
 それでだというのだ。
「こう呼んでるんだけれど」
「またお酒なんだ」
「お酒は人間の永遠の友達よ」
 荀彧にすればだ。それに他ならないのだ。
「何だかんだであっちの世界の面子ともよく飲むし」
「男の人ともね」
「やっぱり偏見はよくないわ」
 荀彧もそのことを知ったのである。彼等との交流で。
「確かに私は華琳様一筋だけれどね」
「華琳様一筋っていう割には」
「何なのよ」
「それ何処の国の女王陛下の服なのよ」
 許緒は荀彧の今の服を見て言う。
「あっちの世界の服でもないみたいだし」
「ちょっと。エイリスって国のね」
「エイリス?」
「そこの国の女王様の服なのよ」
「それまた中身のことでしょ」
「他にはメイド服もあったけれど」 
 それもあったと話す荀彧だった。
「これにしたのよ」
「ううん、中身って大事よね」
「とにかく。衣装はこれでいくから」
 荀彧は決めたというのだ。中身との関係もあり。
 
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