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おぢばにおかえり

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第六十六話 好き嫌いその三十五

「本当に」
「誰かいい人いればいいわね」
「そこでそう言われます?」
 阿波野君はむっとしてこう言いました。
「それはないですよ」
「ないって?」
「そうですよ、まあ何時かはですね」
「誰かと行くのね」
「そうします」
「阿波野君は確かにいい加減で適当なところがあるけれど」
 あと私に対しては凄く馴れ馴れしいです。
「基本いい子だからね」
「それで、ですか」
「誰かと一緒に行ってね」
「その人は一人だけなんですよ」
「それは誰?」
「先輩も何時かわかってくれますよ」
「そうなの?」
 また言っていることがわかりませんでした。
「そうなるの」
「はい、その時驚かないで下さいね」
「どうして驚くのよ」
 その理由がわかりませんでした。
「一体」
「まあその時にってことで」
「阿波野君時々わからないこと言うわね」
 この時もでした。
「本当に」
「そうですか?」
「ええ、どういうことかね」
 何が言いたいのかです。
「全くわからないわよ」
「今もですか」
「どうもね」
「まあ僕もこうしたことははっきり言わないですね」
 阿波野君は笑ってこうも言いました。
「どうも」
「そうみたいね」
「はい、ですが」
「それでもなの」
「その時が来たら」
「私にお話してくれるのね」
「そうさせてもらいますね」
 こう私にお話してくれました。 
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