ドリトル先生と幸せになる犬
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第十二幕その九
「人間はそれだけで全く違うんだ」
「そうだよね」
「ふわりの今のご家族もそうだしね」
「愛情があるとね」
「それだけで違うね」
「愛情から色々な素晴らしいものが生まれるしね」
こうもです、先生は言いました。
「思いやりや優しさがね」
「そうだよね」
「そうしたものも愛情から生まれるね」
「そして人の心を素晴らしくして」
「幸せにしてくれるわね」
「だからね」
それ故にというのです。
「愛情は尊いんだよ」
「川藤さんにはそれがあって」
「ふわりの今のご家族にもある」
「そうだね」
「自分以外の生きもの全てが大嫌いなら」
そうした人はというのです。
「自分以外の生きものに嫌われるしね」
「嫌えば嫌われる」
「そう言われてるしね」
「自然とそうなるわね」
「そして誰かを愛していれば」
それならというのです。
「自然とね」
「愛されて」
「そして素晴らしいものも得る」
「そうなっていくね」
「成長もしていってね」
人間としてというのです。
「そうなるよ、ただふわりの前の飼い主の人達はね」
「愛情がなかったんだね」
「ふわりにも赤ちゃん達にも」
「自分達は持っているつもりでも」
「実は違ったね」
「そうなんだ、本当に遊んでいただけだったんだ」
あの人達の場合はというのです。
「これがね」
「そうだよね」
「あの人達の場合は」
「ふわりや赤ちゃんは自分達のおもちゃで」
「おもちゃで遊んでいただけで」
「愛情なんかなかったね」
「全くね」
まさにというのです。
「本当にね」
「そうだね」
「あの人達はそんなもので」
「愛情なんかなくて」
「だから餓鬼になったんだね」
「勿論餓鬼に愛情はないよ」
そうしたものは持っていないというのです。
「あまりにも浅ましくてね」
「そうだよね」
「餓鬼に愛情がある筈がないね」
「もう自分だけだよね」
「餓鬼は」
「そうだよ、愛情どころか」
それどころかというのです。
「自分以外はないよ、人が餓鬼になってもそうで」
「生まれ変わって身体も餓鬼になったら」
「もう飢えと渇きばかりで」
「そうなっていてね」
「それでだよね」
「愛情なんてね」
「本当にないね」
「若し餓鬼が愛情を持てれば」
その時はといいますと。
「餓鬼でなくなるよ」
「その瞬間にだね」
「そうなるのね」
「餓鬼から人間になれる」
「そうなのね」
「そうだよ、愛情を持って」
そしてとです、先生は。
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