八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百三十八話 教会の人達その十五
「自然とずっといたくなる様な」
「そんな場所だね」
「そう感じるわ」
「それが天理教の教会なんだ」
確かにそれぞれの教会があるけれど基本人のお家だ、だからくつろげる穏やかな雰囲気の中にあるのだ。
「だって家族で普通に出入りしているから」
「それでなのね」
「くつろげる感じで教えもね」
天理教のそれもだ。
「やっぱりね」
「穏やかなのね」
「そうなんだ」
「そうなのね、じゃあまたね」
「お邪魔するんだね」
「そうさせてもらうわ、今はね」
僕にこう言った。
「夜からずっと歩いているし」
「それで疲れてるね」
「だから八条荘で休みたいから」
それでというのだ。
「教会長さんの申し出は有り難いけれど」
「まだ今度だね」
「お邪魔させてもらうわ」
「そういうことだね」
「今はね、それで」
教会長さんにあらためて言った。
「申し訳ないですが」
「うん、じゃあね」
「また宜しくお願いします」
「何時でも来ていいからね」
教会長さんは香織さんに笑顔でこう返した。
「気が向いたらね」
「お邪魔させてもらいます」
「そういうことでね」
「また来てね」
娘さんも言ってきた。
「何時でも」
「そうさせてもらいます」
香織さんは娘さんにも挨拶した、そうしてだった。
香織さんは教会を後にした、そして僕も一緒に教会を後にした。教会を後にするともう帰るだけだった。
第三百三十八話 完
2021・7・1
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