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ドリトル先生と幸せになる犬

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第十一幕その八

 怒る二人を駐車場の彼等の車まで送りました、そして温和に見送りましたが。
 先生以外の皆は研究室に戻ってからカンカンでした。
「最低だったね」
「そうよね」
「いや、命何だって思ってるのか」
「聞いていたけれど実際に聞いたら」
「もう最低よ」
「最悪だったわ」
「二度と会いたくないよ」
 こう言って怒るのでした。
「人気とお金があるから欲しいってね」
「はっきり言ったし」
「自分達がしたことに全く反省ないし」
「ふわりを裏切って捨てたことにも」
「あんな人達が世の中にいるってね」
「それだけでも嫌だよ」
「全くだよ」
 王子も怒っています。
「最低な人達だったね」
「王子もそう思うよね」
「あれが餓鬼だね」
「本当に浅ましかったわ」
「人間として最低も最低」
「人相にも出ていたわ」
「僕もわかったよ」
 トミーも怒りながら言います。
「餓鬼って何かってね」
「あれだね」
「あれが餓鬼だね」
「餓鬼って何かって思っていたら」
「ああした風なのね」
「そうだね、嫌なものを見たよ」
 紅茶を飲みつつ言いました。
「本当にね」
「いや、本当にあの人達ふわりを愛していないね」
 トートーはこのことがわかりました。
「おもちゃでしかないんだね」
「五月蠅くなったから捨てたけれど」
 ダブダブも言います。
「人気が出てお金になるからまた飼う」
「命や心があるなんてこれっぽっちも思っていないわね」
 ポリネシアも言いました。
「気にもしていないわね」
「それを平気であそこまで言えるなんて」 
 ジップはこのことにも怒っています。
「物凄い思いやりと神経のなさだね」
「聞いていて嫌になったわ」
 ガブガブもそうでした。
「醜いエゴばかりでね」
「いや、餓鬼を見たよ」
 ホワイティはつくづく思いました。
「心からね」
「何て浅ましくて卑しいのか」
「あれはもうどうしようもないわ」
 チープサイドの家族も思いました。
「どうしようもないわ」
「本当にそうだね」
「ああなったら駄目だね」
 チーチーは思い知りました。
「子供も一緒なのに醜い本性剥き出しだったし」
「二人共元のお顔はよかったのに」
 老馬はこのことから言いました。
「心の醜さが出て凄かったね」
「もう二度と会いたくないね」
「ああした人達とは」 
 オシツオサレツも二つの頭で言いました。
「ちょっとは反省とか思いやりとかないのかな」
「自分達以外への配慮もね」
「というか僕達怒りを爆発させない様に必死に我慢していたけれど」
 王子は先生を見て言いました。 
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