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ドリトル先生と幸せになる犬

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第十一幕その六

「そして吠えると、ですがふわりの性格は変わっていません」
「あの時酷かったんですよ」
「ずっと吠えて」
「性格が変わったのではなく貴方達が飼育放棄したので」
 あえて飼育放棄と告げました。
「呼んでいたのです、そして性格が変わって保健所に捨てましたね」
「五月蠅かったですから」
「それが何か」
 全く悪いと思っていない返事でした。
「悪いですか?」
「その辺りに捨てていないですよ」
「法的に問題ないじゃないですか」
「犬を捨てるのは」
「・・・・・・・・・」
 先生以外の皆ここでまた憮然となりました、ですがやっぱり二人は気付きません。それで言い続け増した。
「何か問題ありますか?」
「いらなくなったんですよ」
「五月蠅くて仕方なくて」
「私と赤ちゃんが寝られなくて落ち着かなくて」
「あんな性格になったら」
「もういらないです」
「家族にそんなことを言う人はいません」
 先生ははっきり言いました。
「性格が変わったから家族を捨てる人はいません」
「いないっていうんですか」
「じゃあ私達が間違っているっていうんですか」
「家族の絆は強いです」
 だからだというのです。
「そしてふわりはずっとです」
「その絆をですか」
「持っていたっていうんですか」
「犬風情が」
「そんな筈ないじゃないですか」
 二人はあくまでこう言います。
「所詮犬ですよ」
「犬がそんなもの感じません」
「所詮買ったものですし」
「私達のものですよ」
「それをどうしようが勝手ですよね」
「犯罪もしていませんし」
「確かに貴方達は犯罪を犯していません」
 それは事実だとです、先生は答えました。
「それは事実です」
「じゃあ問題ないですね」
「犯罪でないなら」
「それじゃあいいじゃないですか」
「何でそう言うんですか」
「ですが貴方達は絶対に許されないことをしました」
 先生は穏やかですが確かな声で言いました。
「ふわりを裏切りふわりとの絆を断ち切りふわりを捨てたのです」
「だから捨てた捨てたって言いますけれど」
「もう一度家族にするって言ってるじゃないですか」
「今度は性格だって我慢しますよ」
「人気もお金もあるんですから」
「性格が変わったらどうしてか、どうしたらなおるのか」 
 先生は今は二人の言葉をスルーしました、今の彼等の言葉は聞くに全く値しない下らない醜いものだったと判断したからです。
「そもそも本当に変わったのか考えます」
「そうだっていうんですか」
「普通は」
「はい、家族なら。友人でも同じです」
 関係のある人達ならというのです。
「それは」
「性格が変わったらですか」
「そうするっていうんですか」
「あっさり捨てるなぞです」
 そんなことはというのです。
「家族、友人のすることではないです」
「では私達はふわりの家族ではない」
「そうだっていうんですか」
「はい、親などととんでもない」
 こうも言う先生でした。 
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