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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百三十六話 初詣をしてその十一

「夏でもね」
「お酒もお水も」
「そうして飲んでいたみたいだよ」
「徹底していたのね、本当に」
「こうした人もいたんだ」
「凄い人ね」
「あと犬とか警官の人が嫌いだったらしいね」 
 資料にはこうしたことも書いてあった。
「色々と逸話のある人なんだ」
「勝海舟さんも犬嫌いだったのよね」
「あの人は襲われたからね」 
 子供の頃それで危うく死ぬところだったらしい、その為終生犬の姿を見たり鳴き声を聞くだけで嫌な顔をしたという。
「だからね」
「それでなのね」
「うん、けれど泉鏡花は」
 この人の場合はだ。
「よく知らないんだ、僕は」
「噛まれたのかしら」
「そうかもね」
 子供の頃にでもだ。
「昔は野良犬も多かったしね」
「狂暴な犬も多かったわね」
「だからね」 
「そうかも知れないのね」
「しかも昔はね」 
 泉鏡花の頃はだ。
「狂犬病もあったし」
「それかしら」
「そうかもね」
 僕が思うにだ。
「極端な潔癖症だったし」
「狂犬病は怖がるわね」
「死ぬしね」 
 確実にだ。
「罹ったら」
「その時点でよね」
「実はエボラより怖いから」
 あのとんでもなく怖い伝染病よりもだ、ゴルゴの人ですら感染して危うく命を落としそうになった位だ。
「確実に死ぬからね」
「エボラは確実じゃないから」
「まだね」
 こう思うと本当に怖い。
「だからね」
「狂犬病の方が怖くて」
「それでね」
 その為にだ。
「泉鏡花さんも」
「犬を嫌っていたの」
「その可能性があるかもね、それ言ったら猫もだけれど」
 こちらもだ。
「狂犬病持ってるしね」
「犬も猫もね」
「狐だって持ってるし」
 この生きものもだ。
「だからね」
「怖いわね」
「そのせいか」
 泉鏡花という人はだ。
「犬を怖がったのかもね」
「狂犬病に気をつけて」
「コーランで犬の唾液を不浄としているのもそれだし」
 だからムスリムの人は犬をあまり愛玩用で飼わないのだ、ムハンマドがコーランが好きなので猫派の人が多い。
「狂犬病はね」
「確実に死ぬだけあって」
「怖いから」
 それでだ。
「もうね」
「昔は今以上に注意されていたのね」
「そうなんだ」
「今みたいに予防接種もないし」
「予防接種が大きいから」
 日本の狂犬病対策においてはだ。
「これでなくなったから」
「全ての飼い犬にしてるから」
「だからなくなったんだ」
 昭和三十二年からのことだ。 
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