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とある委員会の委員長

作者:stk
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長点上機学園中等部からの交換生徒

ここは東京都の一部を切り抜いて作られているいくつもの学校が集まって作られている学園都市。
人口の八割を学生で占めるこの街には、この街でしか習うことのできない特別な事を教えていた。
この街に住むもとんどの学生はそれを目当てできている。
【超能力】、これがこの街でしか教えてはいない特別な授業だった。
そして教師たちは知らされてはいないが、能力を開発する事は無害では無いこと。
しかし教師も知らない大事なことを知っている学生がいた。
彼女は長点上機学園中等部に在籍している二年生であり、小学三年生で超能力者(level5)になった超エリートである。
彼女の能力は書庫(バンク)に載っていない。
しかし順列は記載されており、表向きは御坂美琴と同列3位である。
彼女の名前は木原雫(きはらしずく)
悪質な研究を行う木原一族の一番下の彼女は研究者の道には進まず、一般人として過ごしていた。
これはそんな彼女の物語だった。


ビックリスパイダー事件後の常盤台中学(登校日)
「皆さん、おはようございます。今日は昨日はなしをした通りに長点上機学園中等部から交換生徒が来ています。木原さん、どうぞ入ってきてください。」
呼ばれた私は教室に渋々入っていく。
なぜ落ち込んでいるかと言うと、私の名前を知っている人物がこの中にいるからである。
「失礼します。皆さん、初めまして私は先ほど紹介にありました木原雫と言います。能力名は諸事情により秘密ですが、一様超能力者(level5)です。順列も秘密です。」
私は自己紹介を終えた。
この教室に私と同じ超能力者(level5)であり、唯一、超能力者(level5)でありながら学園都市の裏にあんまり関わりのない人物がいる。
彼女の名前は御坂美琴。
最近有名になっている能力者です。
「それでは席は、御坂さんの後でお願いね。これでSHRはおしまいです。」
先生が教室から出ていった。
私は指示された席に向かって歩き始めたが、多くの生徒に取り囲まれ、質問付けにあってしまった。
「長点上機学園は超エリート校ですわよね?やはり能力のおかげですの?」
「彼氏はいるのですか?」
「その腕章が付いていると言うことは風紀委員(ジャッチメント)ですの?」
一辺に聞かれてもどう答えればいいか分からなかった私は、最後の質問だけ答えた。
「はい。風紀委員会本部長兼風紀委員長(ジャッチメントリーダー)を勤めさせていただいています。」
風紀委員会(ジャッチメント)それは学園都市の治安維持をつとめる二大勢力の一つである。
そんな風紀委員会(ジャッチメント)の中でもあまり知られていない存在。
それが風紀委員長(ジャッチメントリーダー)である。
自分から捜査をする事はなく、書類を書いてることが多い。
その為、彼女の能力を知っているものは少ない。
「風紀委員長ですの?聞いたことがないですわ。」
「私も同じですわ。」
「そうなんだ。私って影が薄いからしょうがないかな。」
私はあえて影が薄いと言った。
「決して木原さんが影が薄いなんて思ってませんわ。」
「ありがと。変わりに私の能力を一つだけ教えてあげる。」
私は窓辺に近づいて、窓を開けると、窓ぶちに空き缶を乗せた。
「みんな、離れえてね。」
私は窓ぶちにおいた空き缶からこの教室の中で一番遠いところにたって 見せた。
私は手で、子供の頃誰もがやったであろう銃の形を作った。
「能力No.1、空気銃(エアーピストル)。」
私は能力名を口に出しながら空気の弾を撃った。
空き缶に当たると、空き缶は缶の面影をなくしていた。
私は見せてはいけない能力を見せてしまった。
しかし後悔はしていない。
私の能力はまだ4つ残っているのだから。
「木原さん、凄いですわ。空気であれだけの威力。もしかしたら御坂様といい勝負になるのでは?」
「そうですわ。能力開発の授業が楽しみですわ。それではまた。」
教室にチャイムがひびきわたった。
「いけない。」
私は自分の席に向かった。
私が席につくと、前の席である常盤台のエースである御坂美琴が私に話しかけてきた。
「木原さん、今さっき能力No.1と言っていたわよね。」
「はい。それがどうしたんですか?」
「木原さんは多重能力者(デュアルスキル)なの?」
「私の能力は理論上不可能とされるされるあれとは方式が違う、言うならば多才能力者(マルチスキル)です。」
私は一人の研究者の言葉を借りた。
私の能力は生まれながらにして五つの能力を持っている。
空気銃(エアーピストル)空間移動(テレポーター)洗脳銃(マイコンピストル)、???、???。
私の能力を知っているのは三人。
一人目は学園都市一位の一方通行(アクセラレータ)
二人目は二位の垣根提督。
三人目は四位の麦野沈利。
もう一度言いますが私は風紀委員長(ジャッチメントリーダー)ですよ。
ですけど暗部にも知り合いがいたりします。
「まあいいわ。能力開発の授業で私と戦いなさい。」
「良いですけど、手加減は出来ませんよ。第三位。」
「言うじゃない。すぐに倒してやるんだから。」
多才能力者(マルチスキル)に勝てるのかしら。木山先生みたいに優しくはないわよ。」
私はつい木山先生の名前を出してしまった。
「そうね、木山先生みたいに優しくないでしょう。なんて言っても幻生の孫なんですものね。」
「気づいていたのね。リトルマッドサイエンティスト。昔の通り名よ。あなたも知っているの木原幻生の子ですよ私は。」
すると御坂さんの表情が凍りついた。
「私を怒らせた科学者の子が呑気に学校に通ってるんじゃないわよ。」
「学生が学校に来て、何が悪いのかしら?」
「一体どれだけの子達がひどい目にあっていたと思っているの?」
「そんなの知らないわ。私のお祖父ちゃんとは無関係だもん。それに置き去り(チャイルドエラー)だけじゃない。」
「置き去り(チャイルドエラー)だかなんだか知らないけど、関係していたなら、ぶっ飛ばす。」
「そう。でも無理よ。学校の模擬戦ではそこまで出来ませんですし、私の能力をすべて把握していないとかてないですよ。」
「どんな能力であろうと私の能力は関係ない。超電磁砲(レールガン)で倒してあげるんだから。」
「頑張ってください。私は手は抜きませんので。」
私はもうすぐ始まる授業の仕度をした。
私が通っている長点上機学園中等部は高校二年までの学習要領を習う。
その為、どの問題も楽々解けてしまって、時間を余らせていた。
長点上機学園中等部では休む暇がないほど忙しい授業の時間が、常盤台中学では沢山休めると言う現実、暇すぎて授業中に関わらず寝てしまった。

「雫さん、起きて。」
私は御坂さんの声で起こされた。
「大丈夫?」
「いえ、なんでもありません。それよりも今はなんの時間ですか?」
「もう学校は終わったわよ。そろそろあなたの後輩が来るわよ。」
「お姉ー様ー。」
廊下から何処かで聞いたことのある声が聞こえた。
「遅いわよ、黒子。」
「済みませんの。それで私に会わせたい人はどちらに?」
御坂さんが私を指した。
「こちらの方は?」
「木原雫さん。交換生徒だって。」
「木原雫さん?何処かで聞いたことのあるような。」
私は黒子が腕に付けている腕章を見て、
「そう言えばあなたは去年まで風紀委員会の訓練に来ていた白井さんでは?」
本部の窓から見たことがあり、今日に至るまで風紀委員になっていたことを知らなかった。
「あなたは私を見たことがあるのでしょうか?」
私は授業中は外している腕章を取り出した。
私の腕章には、他の腕章とあは違い、盾の中に星が描かれていた。
「木原委員長。」
腕章を見せて思い出した白井さん。
「元気?そうそう、白井さん、始末書を預かりたいのですけど。」
「もう少し待っていてほしいですの。」
「冗談よ。それにしてもこの学区は問題が多いのですね?今朝も近くの自動販売機に不具合が出たそうですし。」
私の隣で顔を隠す御坂さん。
「自動販売機への不正行為で逮捕します。」
私が手錠を御坂さんにはめようとしたが、白井さんに止められた。
「お姉様には私からキツく言いましたので大丈夫ですわ。」
「風紀委員会は犯罪者の取り締まりをおもにしています。それを私情で誤ってしまった判断をしたのならば更に始末書を増やさないと。」
落ち込む白井さんを見て私は
「冗談よ。風紀委員(ジャッチメント)の行動制限に有るように、現行犯でしか逮捕できないですし。」
「そうですわ。お姉さま、木原委員長も初春と佐天さんにも紹介しては?」
「いいわね。木原さんもいい?」
「はい、良いですけど。」
私は断ることが出来ない雰囲気だったため、仕方なく了承した。
「それではいつものファミレスに行こうか。」
「そうですわね。お姉さま、木原委員長、此方に。」
白井さんに呼ばれた私と御坂さんは白井さんに近づいていった。
「それではいきますわよ。」

一瞬で景色が変わって近くにあるファミレスの前に来ていた。
「能力の不正使用で逮捕、といきたいのですが今回は見逃すとしましょう。」
「ありがとうございます。」
私も加害者になる事態は避けるべくの処置だった。
「初春さん達は?」
「もう中にいますの。」
「それでは入りましょうか。」
中に入っていくとそこには三人のセーラー服を着た生徒がいた。
「白井さーん、御坂さーん。此方ですよ。」
学校が終わってから違う学校でも仲がいい生徒たち。
「御坂さん、となりの方は?」
「えーと、此方は私のクラスに交換生徒と言うわけで来た木原雫さん。」
「もうひとつの顔は風紀委員長(ジャッチメントリーダー)です。よろしくね。」
「佐天涙子でーす。よろしくお願いしますね。」
「初春飾利です。風紀委員会177支部に所属しています。」
「春上衿衣なの。よろしくなの。」
三人とも礼儀正しい普通の中学生なのだが、私は春上さんを何処かで見覚えがあった。
「失礼ですが、春上さんは置き去り(チャイルドエラー)ですか。」
春上さんは頷いてくれた。
「昔、私も同じ施設にいたんですけどわかりませんか?」
「ごめんなさい、わからないの。」
「秋山雫、覚えてない?」
私は木原幻生に養子として引き取られる前の名字を教えた。
「雫ちゃんなの?」
「私こそ。そう言えば枝先さんは?」
「絆理ちゃんは今、どこにいるか分からないの。ごめんなの。」
枝先さんが春上さんと離れているのは意外だった。
確かに置き去り(チャイルドエラー)なのだから何かに巻き込まれていてもおかしくわないが。
それなら何かの研究の犠牲者になっているかもしれない。
後で統括理事会に確認をとっておくとしますか。
私ながらまた研究の事に関わるなんて思わなかったが。
「ごめんなさい。少し確かめたい事があるので帰らせていただいてもよれしいですか?」
「そうなんですか。残念ですけれどいいですよ。その代わり花火大会は来てくださいよ。」
「わかりました。」
私は行けるか分からないが佐天さんと約束した。
ファミレスを出た私は能力の一つである空間移動(テレポーター)を使って長点上機学園中等部の女子寮に帰った。
 
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