八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百三十四話 初詣その十三
「会津の方だよ」
「だったら武士よね」
会津と聞いて香織さんはこう言った。
「それか長刀の」
「娘士隊だったかな」
「幕末のね」
「あの人達も凄かったみたいだね」
山本八重子さん達だ、迫り来る新政府軍に対して果敢に戦ったらしい。
「そうかも知れないね」
「そう聞いたわ」
「まあその会津の方の人で」
「忍者とはなの」
「これといってね」
僕が聞く限りではだ。
「忍者とは無縁だよ」
「そうなのね」
「けれどあまりにも凄い身のこなしでね」
「罠から脱出したりするから」
「そう言われるんだ」
くノ一やその末裔だとだ。
「しかもあの外見だし」
「美人でスタイルもいいから」
「だからね」
「くノ一説があるのね」
「それで何でもグラビアとか写真集でも」
こちらは僕は見ていないからこの目では知らない。
「くノ一の格好にね」
「なったことがあるの」
「そうした話を聞いたみたいで」
それでだ。
「そうなったみたいだよ」
「そうなの」
「けれど実際はね」
「まず違うのね」
「そうだと思うよ」
僕としてはだ。
「実はね、ただそのマジックは」
「凄いわね」
「観ての通りね、そして元旦は」
「ここでショーを見せてくれるのね」
「そうなんだ」
今のショーはこれで終わりだ、それで舞台裏に拍手を喝采を受けて帰るのを見ながら話した。
「毎年ね」
「そうなのね」
「この大社の氏子さんで」
そしてだ。
「所属している八条芸能は八条グループで」
「義和のお家のグループね」
「それで八条家ってこの大社と縁が深い」
家の宗教は天理教だけれどお布施もよくしている、このことは八条寺も同じだ。
「それでね」
「元旦はなのね」
「お休みだけれど」
元旦は本来はだ。
「テキ屋さんの方ともお話して」
「ここで出ておられるのね」
「そうしているんだ」
「ギャラ安いわよね」
「もうそういうの関係なくて」
それでなのだ。
「宗教とお付き合いの関係でね」
「出ておられるのね」
「義理堅い人らしくて」
しかも温和で誠実な人らしい、八条芸能の社長さんを務めている親戚の人の話によると。
「毎年ね」
「こうしてなのね」
「ここに出てくれているんだ」
「立派ね」
「何でもご自身の為らしいから」
「ただ義理だけじゃなくて」
「元旦で大社でこうすることは」
ショーを披露することはだ。
「神事の一つでそれをすることは」
「立派なことね」
「神様の為に何かすることでご利益があるってね」
その様にだ。
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