麗しのヴァンパイア
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第三百八十五話
第三百八十五話 ほどく時は
弟は姉の美樹に尋ねた。
「お姉ちゃんポニーテールにしない時あるの?」
「あるわよ」
美樹は弟に即座に答えた。
「お風呂入る時と寝る時はね」
「そうなんだ」
「ってあんたも見たでしょ」
美樹は弟に今度は怪訝な顔になって言葉を返した。
「最近まで一緒にお風呂入ってたし寝てたでしょ」
「そんなの覚えてないよ」
弟はすぐに答えた。
「あまり意識してなかったし」
「だからなの」
「うん、けれどお風呂の時と寝る時はなんだ」
「ほどいてるわよ」
髪の毛をというのだ。
「ポニーテールじゃないわ」
「そうなんだね」
「ええ、いつもじゃないわよ」
こう弟に話した。
「いつもはしないから」
「そのままだと洗えないし」
「そう、ポニーテールのままだとね」
その髪型ではというのだ。
「だからお風呂入る時はね」
「ほどくんだ」
「ゴムは左手首にやって」
髪の毛をたばねているそれはというのだ。
「そうしてね」
「それで寝る時ゴムは」
「その時は枕元に置くの」
「手首にはやらないんだ」
「その時は縛るものあると嫌だから」
それでというのだ。
「そうしているのよ」
「ううん、いつもじゃないことはわかったよ」
「そうでしょ、ただね」
「ただ?」
「髪型は変えないわ」
このままでいくというのだ。
「お母さんも他の皆もいいって言ってるし」
「僕もいいと思うよ」
「そうでしょ、だからこれからもね」
「ポニーテールのままでいるんだ」
「そうしていくわ」
「そうなんだね」
「そのつもりよ」
こう弟に言った。
そして美樹はポニーテールのままだった、だがここで彼女はクラウンの面々とプールに行った時に言われるのだった。
第三百八十五話 完
2021・7・21
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