八条学園騒動記
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第六百三十一話 最後の最後はその十
「只のイキリなんてな」
「どうにもならないね」
「ましてそのイキリで恰好いいと思っていたらな」
「余計にだね」
「もう寄ってたかってな」
少年院にいる連中にというのだ。
「いびられるさ」
「そうなるのがヲチだね」
「それでその門にいた馬鹿もな」
「もう襟首後ろから掴まれてね」
そうされてというのだ。
「ポイだったよ」
「そんなに小さい奴だったか」
「柄は悪かったけれど」
それでもというのだ。
「体格も貧弱でね」
「弱そうか」
「本当にもうね」
「只のイキリのか」
「ドキュンだったよ」
「如何にも下らない奴だったな」
「ほら、クラスにいるよね」
ここでマルコはこうマチアに話した。
「頭悪い、喧嘩も実は弱い、けれど何か周りに馬鹿にされなくて」
「不良になってか」
「物凄くイキってね」
「自分がクラスの中心ぶるな」
「真ん中にあえて位置してね」
そしてというのだ。
「写真とかで中指立ててる」
「アルバムとかで一生残るのにな」
「そんな奴だったよ」
「本物には一切勝てない馬鹿だな」
「そんな風な奴だったよ」
「じゃあ首根っこ掴まれて摘まみ出されてもな」
「当然だね」
「そんな奴はどうせ大した奴にならない」
マチアはきっぱりと言い捨てた。
「自分の低能を直視出来ない奴だろ」
「雑魚も雑魚だってね」
「そんな奴はどうせな、高校は最底辺でな」
「所謂ドキュン高校だね」
「そしてな」
それでというのだ。
「そこでも更正しなかったらな」
「ドキュンのままで」
「碌な奴にならないさ」
「大人になってもだね」
「犯罪者か毒親だ」
どちらかになるというのだ。
「まあ毎日徹底的にその高校でボコられでもしないとな」
「更正しない奴だってことだね」
「ああ、しかしな」
それでもというのだ。
「更正出来るだけまだいいか」
「それならね」
「本当に犯罪者になることだってな」
「あるからね」
「そうなったらな」
それこそというのだ。
「手遅れだからな」
「もうそうなったら」
「だからな」
それでというのだ。
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