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IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス

作者:ハト胸
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夢の中!

 
前書き
 相川拓夢
 9歳、黒髪に青い瞳。
 搬送されてきてから目を覚まさない。
 外的要因は見当たらず、精神的に負荷がかかった恐れがある。
 一週間経ったいまも、彼は眠り続けている。 

 
 ここは・・・・?

 気が付くと俺は、真っ白い空間にひとりぽつんと立っていた。
 
 この、体は・・・。

 体はやはり、18歳の状態に戻っていた。
 
 あれは全部夢・・・。

 そう、夢だったんだ。
 ISの世界に転生したこと、皆とであった記憶そのもの。
 全てが俺のつくりだした 夢 だったんだ。

 やっぱりそうか。俺を見てくれる人は居ないのか・・・。

 いつもそうだった。
 俺に近寄ってくる人間は全部、俺の能力にしか目がいっていない。
 俺が何を考えて、何を思って、どうしたいかなんて気にしてくれない。
 タダその能力が目当てで、俺に近づいてくる人間。

 いつも孤独だった。
 周りに人はいても、俺は一人だった。

 皆仮面を被っている。
 皆嘘をついている。
 笑いながら近づいて、俺から色んなものを吸い取ろうとしてくる。

 そんな人生まっぴらごめんだ。

 何でも出来ても、何にも手に入らない。
 全てがまやかし、嘘でしかない。

 そんな、神が創った俺の幸運。
 祝福だと?愛しているだと?
 ふざけるな!それはもう呪いでしかない!

 この白い空間は、俺の心の全てをさらけ出す。
 どす黒い思いがとめどなく溢れ、止まらない。

 叫んだ、わめいた、暴れた、走った、倒れた、そして泣いた。

 「気は、すんだかの?」

 声が聞こえた。
 老人とも若い男とも子どもとも女性とも取れる、可笑しな声だ。

 すむわけねぇだろ・・・。

 声は出ない。
 変わりに頭から言葉が飛んでいく。
 思いが全て相手に伝わる。

 「そうじゃの、すまなかった」

 姿は見えない。
 でも存在は感じる。
 
 あんたは、神か・・・?

 「そうじゃよ。おぬしを愛し、お主に祝福を与え、おぬしを苦悩させた、愚かな神じゃ」

 その声は、心のそこからそう思っているようだった。
 懺悔、俺にはそう聞こえた。

 なにしにきた・・・。ここはどこだ。

 「そこは、ワシの中じゃ。どの世界にも属さない、隔絶された空間。それがその場所の名前じゃ」

 なにしにきたんだ・・・。

 「謝りに。そして、おぬしを助けるために」

 ふざけるな。・・・あんな、嘘の世界の記憶なんて見せて、償いのつもりかよ。

 叫ぶ気力も、怒る気力も残っていなかった。
 あるのは虚無感。

 「違う。あの世界は本物じゃ!おぬしが望んだ、心から望んだ世界があそこなのじゃ!」

 なにを・・・。俺は普通の幸せが欲しいといっただけ。

 「それも違うの。おぬしは普通の幸せに別の意味を込めておった」

 別の、意味だと・・・。

 「そう、別の意味。自分の存在を認めてくれる人が居る世界。それをおぬしは心から望んでおった」

 ・・・・・・。

 「ワシは、死んだお主から話を聞いて愕然とした。よかれと思ってやってことがおぬしを傷つけていたとはしらなんだ。じゃから、すごく後悔した」

 ・・・・・・。

 「ワシはな、おぬしに幸せに生きて欲しかったんじゃ。何不自由なく、元気に、何者にも阻害されることなくな」

 ・・・・・・。

 「じゃが、知ってしまった。おぬしの心からの望みを。じゃから、ワシはあの世界へお主を飛ばした」

 ・・・・なんで。なんで小説なんかの世界に。

 「お主が、死ぬ間際に憧れていたものだからじゃよ。ほれ、数日前にその小説を読んで憧れたじゃろ。たくさんの友達に慕われ好かれ、その期待にこたえようと努力する男に」

 ・・・・一夏のことか。

 「そうじゃ、だからあの世界だったんじゃ」

 ・・・だが、あれは全部夢。

 「本当にそう思っているのかの?本当におぬしは、あの世界ですごした全てを夢と片付けられるのかの?」

 それは・・・。

 「出来ないはずじゃ。何故ならおぬしは知ったから、あの世界で人のぬくもりを。そして学んだのじゃ、努力すること、そして人の優しさを」

 それは・・・・・・。

 「もう一度聞こう。おぬしはあの世界が夢だと、本当に思っているのかの?」

 ・・・・・・・・・・。思っていない。

 そう、あそこは俺を始めてみてくれた人たちで溢れている。
 あの世界での9年間は本当に幸せだった。
 そりゃ怒られたり喧嘩して痛い思いをしたりした。
 だけど、それすら俺を思っての事だ。

 俺はあの世界で人の優しさを知ったんだ。
 夢なんかじゃない、夢なんかで済ませられない。

 ・・・・俺は、あのせかいが好きなんだ。

 「そうじゃよ。その通りじゃ。ほれ、そのことが分かったんならいつまでここに居る気じゃ?」

 ・・・まさか、戻れるのか?

 「当たり前じゃ。お主が戻りたいと、心から望めばそれは叶う」

 そうか。・・・そうなのか。

 「ほれほれ、さっさと行かんか」

 ・・・ありがとう。

 「礼などいらんよ。これはわしなりの償いじゃ」

 ・・・。

 「もう、迷うでないぞ」

 あぁ、さようなら、神様・・・。

 「さようならじゃ」

 そういって、少し寂しそうな声色を最後に、俺は白の世界から消えていった。







 「・・・ここは。知らない天井だ」


 おきて早速ネタに走るのもどうかと思うが。
 言わずには居られなかった。

 「あぁ、帰って着たんだな・・・」

 体が教えてくれる。
 俺が本当にISの世界に帰ってきたことを。

 「こいつら、いつから居たんだか」

 俺の両手は、二人の子どもに握られていて動かせない。
 片方は少年、もう片方は少女だ。

 「一夏、そして箒・・・。俺、かえって来たよ」

 ここはきっと病院だろう。 
 そしてきっと直ぐに父さんと母さんが来るはずだ。
 あわてた顔で、きっと嬉しそうにして。

 「あぁ、俺はこの世界が好きなんだな・・・」

 その言葉は、生きてきたなかで一番心にしみこんだ。
 じんわりと胸の奥が暖かくなり、それが心地いい。

 俺はその心地よさに体を預け、再び目を閉じるのだった。 
 

 
後書き
目覚めた拓夢。
やっと世界の名前、どうして自分がこの世界にいるのかが分かりました。

表現力不足でもうしわけない。
もっと伝えたいことがあったのですが、ここから一気に原作まで飛びます。 
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