八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百三十一話 大晦日も二人でその九
「本当にね」
「嫌なことね」
「うん、こうした人の言うことなんて」
おかしなクレーマーの主張なんてだ。
「一々聞いてもね」
「仕方ないわね」
「それが生きがいの人もいるから」
クレームをつけること自体がだ。
「もう粗捜しをしてね」
「言うのよね」
「言い掛かりなんて何とでも言えるから」
ヤクザ屋さんを見てもわかることだ、何とでも言えることだ。
「それでそんな人の意見ばかり通ったら」
「他の人が迷惑するのよね」
「そうだけれどね」
「それが通るのね」
「今の日本はね」
残念ながらそうしたところもある。
「民主主義じゃないから」
「クレームの人は」
「こうした人独裁者だから」
何でも自分の思い通りにしようとする人達だ。
「だから一々聞いていたら」
「仕方ないわね」
「クレーマーはクレーマーだよ」
本当にそれに過ぎない。
「それで八条寺はね」
「そうした人の意見があってもなのね」
「聞かないから」
常識を以てだ。
「そうしてくれるからね」
「今年もついてくれるのね」
「鐘をね、そういうこと言う人は何処でもいるから」
「神戸にもよね」
「だからね」
非常に残念なことにだ。
「八条寺もそうしたクレームが来てるかも知れないけれど」
「それでもなのね」
「そうしたクレームはつっぱねてくれるからね」
「いいわよね」
「そんなこと一々聞いていたら」
クレーマーの主張なんてだ。
「周りが迷惑してね」
「その人以外の人がね」
「日本もね」
国自体がだ。
「おかしくなるよ」
「そうよね」
「それ民主主義じゃないから」
クレーマーの意見を一々聞いて実現することはだ。
「最大多数の最大幸福っていうけれど」
「それを適えてね」
「多くの人の真っ当な要望が通る」
「それが民主主義よね」
「正しい要望かどうか確かめてね」
「時間かかるわね」
「どうしてもね、それに少数の意見でも」
それでもだ。
「無視されることが多いけれど理想はね」
「そうした意見もね」
「ちゃんと確かめられて」
「実現されるわね」
「そうなるもので。少数の意見が無視されても」
「一人のクレーマーの意見は通るのね」
「このこともおかしいしね」
少数の意見が真っ当でも通らなくて一人のクレーマーの意見が普通に通る、おかしなこととしか言い様がない。
「もうクレーマーはクレーマーとね」
「割り切ることね」
「一人のおかしな人の意見がまかり通るなんて」
「独裁国家よね」
「クレーマーのね」
クレーマーのクレーマーによるクレーマーの為の社会になる、こんな社会が真っ当だなんて誰が思うのか。
「そうだよ」
「それがお寺にもいくとかね」
「除夜の鐘にね」
「そうよね、というか除夜の鐘って五月蠅い?」
そもそもとだ、香織さんは僕に聞いてきた。
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