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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百三十一話 大晦日も二人でその五

「寒いから」
「だからあったまらないとね」
「それでね」
「温かいお蕎麦をだね」
「食べるわ、それでね」
「かけそばにするんだね」
「二杯目はね。じゃあこれ食べて」 
 その山菜そばをというのだ。
「次はね」
「かけそば食べて」
「それでお腹一杯になって」
 そうしてというのだ。
「行きましょう」
「それじゃあね」
「お蕎麦ってあったまるわね」
「そうだね、温まるならおうどんが一番でも」
「お蕎麦もね」
「温まるわ」
「そうだね、じゃあそれ食べて」
 僕は香織さんにあらためて言った。
「それからね」
「時間になったら」
「まずはお寺ね」
「そこに行きましょう」
 こうお話してだった。
 僕は天麩羅そばも食べた、それを食べるとだった。
 香織さんはかけそばに移っていた、そのかけそばを食べて僕に言ってきた。
「これが一番あっさりしてるわね」
「具は葱位だからね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「お腹が多少膨れていても」
「食べられるね」
「ええ」
 僕にこう答えてくれた。
「そうよ」
「かけそば好きとかは」
「ええ、好きっていうとね」
「好きなんだ」
「山菜そばも好きだけれど」
 一杯目のお蕎麦だけでなくというのだ。
「こちらもね、あとね」
「あと?」
「やまかけも好きなの」
「ああ、あれもいいね」
 山かけと聞いて僕も頷いた。
「食べやすくて」
「身体にもいいのよね」
「山芋だからね」
 お蕎麦にすり下ろした山芋をかける、これがまた最高だ。
「だからね」
「そのこともあってね」
「好きなんだね」
「冬には不向きだけれど」
 これも冷たいお蕎麦だからだ。
「けれどあれもね」
「物凄く食べやすいからね」
 山かけのお陰だ、もうつるつると入る。
「だからね」
「いいわよね」
「今お話したけれどね」
「それで身体にもいいから」
 このこともお話したが今もした。
「だからよね」
「凄くいいよ」
「義和も好きよね」
「親父も好きでね」
 何でも精がつくということだ、この言葉の意味はもう言わなくてもわかる。遊び人の親父だけはある。
「よくお家でも作ってもらったよ」
「それで食べてたのね」
「親父山芋擦るの早いから」
「痒くならないの?」
「みたいだよ」 
 実は僕もだ。 
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