八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三百二十九話 冬のお庭でその六
「普段程はよ」
「しないんだ」
「そうするわ、この一年トレーニングもしてそれでね」
僕に笑って話してくれた。
「色々イベントがあって楽しかったわ」
「満足してくれたかな」
「最高よ、じゃあその最高なままね」
「この一年を終えるんだね」
「そうするわ、じゃあ次は筋トレするわね」
こう言ってだった。
モンセラさんはその場で激しい筋トレに入った、そしてだった。
僕はモンセラさんの邪魔をしてはいけないのでその場を後にした、それで八条荘の中に戻るとだった。
裕子さんがロビーでコーヒーを飲んでいた、裕子さんは僕を見ると声をかけてきた。
「今日は予定あるわね」
「はい、香織さんと」
「そうよね。私も同じよ」
僕に微笑んで話した。
「彼とね」
「一緒にですね」
「行って来るわ。もう大学も合格したし」
「三年の人はどの人もですね」
「推薦決まってね」
それでだ。
「気楽よ。ただこうした時こそね」
「気を抜いたらいけないですね」
「羽目を外して遊び過ぎたら」
その時はというのだ。
「身体も壊すから」
「だから今夜もですね」
「慎重にいかないとね。特に喉はね」
歌が得意な人だけにだった。
「大事にするわ、マフラーも巻いてね」
「冷やさないですね」
「そうするわ」
「そこは用心ですね」
「ええ、それで貴方も用心してね」
「今夜はですね」
「寒いから。年末年始にこそ体調を崩すから」
だからだというのだ。
「くれぐれもね」
「注意してですね」
「楽しんできてね」
「そうしてきます」
僕は裕子さんに笑顔で応えた、そしてロビーを後にして。
喉が渇いたのでお茶を飲みに食堂に入るとそこにエリザさんがいた、見ればホットコーヒーを飲んでいた。
エリザさんは僕を見るとこう言った。
「感じていたわ」
「僕が来るとですね」
「ええ」
その通りという返事だった。
「それで実際に来たわね」
「そうね、ただ」
「ただ、っていいますと」
「今日貴方はこれからも色々あるわ」
「そうですか」
「明日もね。充実した日になるわ」
こう僕に話してくれた。
「それも悪いものではないわ」
「いいものですか」
「そう、だからね」
コーヒーを飲みながら僕に微笑んでお話してくれた。
「安心してね。そして私も」
「エリザさんもですか」
「彼と遊びに行くけれど」
「今夜ですね」
「それは楽しいものになる」
「そう感じておられますか」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「今日は楽しみよ」
「そうですか」
「寒いけれど」
エリザさんにとってもだった、今日はそうだというのだ。
ページ上へ戻る