| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六百二十九話 草原の観光その三

「豊かになることにはね」
「積極的でないのね」
「スローライフね」
 笑顔でこうも言った。
「今の技術だと草原でも出来るし」
「それでいいのね」
「そう考えてる国だから」
「国としても焦ってないのね」
「そうなの」
 実際にというのだ。
「私達はね」
「成程ね」
「だから観光もよ」
 こちらの産業もというのだ。
「そうした感じよ」
「草原ね」
「そちらをアピールして」
 そしてというのだ。
「来てもらってるの」
「それでお店とかは」
「土産ものとかお料理とか出す」
「そうしたお店はあるのかしら」
「街や村にはあるわ」
 そうした場所にはというのだ。
「それで草原には行商人の人がね」
「行商人ね」
「ネットで呼べば来てくれるの」
「そうなのね」
「ヘリコプターとかでね」
「それ以外はないのね」
「だって遊牧生活だから」
 ナンはここでもこんなことを言った。
「お店なんてね」
「ないのね」
「そう、それでね」
「お店もなのね」
「行商人の人がいて」
「その人から買うの」
「そうなるわ、あとネットの通販なら」
 この時代のモンゴルはこちらも盛んであるのだ、注文すればすぐにドローンで送り届けてくれるのだ。倉庫は空に浮かぶ城の様にしてあるのだ。
「すぐにね」
「届くのね」
「そうしてもらってるのよ」
「観光でも」
「それで食べることは」
 その場合のこともだ、ナンは話した。
「それぞれのお家でね」
「ゲルでなの」
「食べてもらってるのよ」
「お店ないのね」
「そうよ、だって遊牧生活だから」
「何か他の観光と全然違うわね」
 コゼットはここまで聞いて唸る様にして言った。
「連合の他の国と」
「だから遊牧民だから」
「それであのね」
「そうなっているのよ」
「凄い観光ね」
「けれどそれがね」 
 そうした観光の在り方がというのだ。
「モンゴルなのよ」
「そうなのね」
「事実他の国の観光とは違って地味よ」
 このことは事実だというのだ。
「やっぱりね」
「そうよね」
「けれどね」
「それでもなのね」
「ちゃんとやっていってるわよ」
「産業になってるの」
「それで生きていっている人もいるわ」
 こうコゼットに話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧