夢幻水滸伝
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第二百十一話 陸戦においてもその九
「ポケットが」
「貝殻が揺れてるな」
「連絡ですね」
「そうみたいやな。私やで」
「私や」
リーから言ってきた。
「ちょっと頼めるか」
「ズーちゃんのことですね」
「黒琵琶を使ってきたな」
「それで今落魂鐘出しましたけど」
「黒琵琶の攻撃にぶつけてくれ」
その落魂鐘でというのだ。
「それで相殺してくれるか」
「そしてその間にですね」
「こちらはさらに攻める」
その様にしていくというのだ。
「ええな」
「わかりました、それでは」
「宜しく頼む」
リーはこう告げると連絡を終えた、するとだった。
チュットは話を終えてからコープチッティに言った。
「決まったわ」
「神具には神具ですね」
「まさにそうなった、相殺させてな」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「戦っていきますね」
「そうなったわ」
「ほなそういうことで」
「やってくな」
「それではわしも」
コープチッティはカイの言葉を受けて意気揚々となって己の神具であるパラシュを手に言った、その巨大な斧を。
「敵が来るまでは采配と術に専念して」
「そしてやな」
「敵が間合いに入れば」
その時はというのだ。
「やりますわ、ただ」
「それでもな」
「多分わしは一騎打ちに出ますね」
「自分は本質的に格闘戦向きやしな」
「フランケンの山賊で」
種族と職業がそうで、というのだ。どちらも腕力系だ。
「しかもです」
「そのパラシュや」
「斧もありますさかい」
それでというのだ。
「やっぱりそうですね」
「多分一騎打ちになるで」
「相手はカイですね」
「そやろな」
ベトナムのもう一人の星の者である彼だというのだ。
「リーさんの決断次第やけど」
「まず間違いないですね」
「どう見ても自分は一騎打ちに向いてる」
「わしもそう思ってます」
コープチッティ自身もというのだ。
「そのことは」
「そやからな」
「まずですね」
「一騎打ちに出るで、ただな」
「はい、虎と虎は何故戦わへんか」
「日本やと漫画で言うてたな」
「ライオンになってましたが」
「極虎一家でな」
かつて週刊少年ジャンプで連載されていたこの作品でというのだ、作者はあの宮下あきら氏であった。
「そう言うてたな」
「そうでしたね、日本では」
「それで何で虎同士が戦わへんか」
「やっぱりですね」
「それはあれや」
「お互い強いのがわかってるので」
「それでや」
その為にというのだ。
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