恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百八話 怪物達、世界を語るのことその七
「敵はあくまでアンブロジアじゃな」
「そう、その神よ」
「そこは注意してね」
「わかった。ではアンブロジアを封じるとしよう」
狂死郎は四宝珠の一つの持ち主として述べた。
「要はそこじゃな」
「そういうことよ。敵はしっかりと把握しないとね」
「間違えてしまうから」
「うむ、その通りじゃ」
ここで大きく見得を切る狂死郎だった。彼は今も歌舞伎役者なのだ。
次にはだ。命が二人に尋ねた。
「あの朧というのは」
「そうだ。あの老いぼれは元は忍だったな」
命に続いて刀馬も言う。
「けれど一体」
「何故あの者達に与している」
「彼も叉目指すものが同じなのよ」
「他の連中とね」
その朧もだとだ。二人は話す。
「そういうことよ」
「だから一緒になっているのよ」
「では私達と共にいたのも」
「我等を利用する為だったか」
「あの時に一度斬られて死んだからよかったのよ」
「せめてね」
離天京においてだ。そうなったのはというのだ。
「それであの世界でのあの男の計画が頓挫したから」
「あの時はね」
「けれど蘇りこの世界に来た」
「この世界でその欲望を満たす為にか」
「そうなるの。どうやら貴方達の世界は破壊と混沌を望む者が多いわね」
「刹那も含めて」
「刹那ですね」
その刹那のことはだ。月が言った。
「あの男は常世の使者ですが」
「使者、いえ常世の具現化ね」
「あれはそうした存在よ」
使者どころではないというのだ。
「だからこの世界にも常世をつなげようとしているのよ」
「そう目論んでいるのよ」
「そうですか。だからあれだけの力を持っているのですか」
「あの刹那もやっぱり破壊と混沌を望む形になっているから」
「常世とこの世を結び付けて完全に常世にするつもりだから」
そのことはだ。月もよく知っていることだ。無論四霊の者達もあかりも守矢もだ。このことはわかっている。
こうしてだった。あらゆることが今結びついて語られた。
しかしだった。ここでだ。草薙が二人に尋ねた。
「で、何で俺達の世界の奴等がこっちの世界にあれだけ来てるんだ?」
「あと俺達は何でこの世界に来たんだ?」
テリーも尋ねる。
「この二つが一番気になるんだがな」
「それはどうしてなんだ?」
「まずは白装束の者達はこの世界を破壊して自分達の望む様にしようとしたのよ」
「それでね」
さらにだというのだ。
「貴方達の世界でそれを果たせなかった彼等を見てね」
「こちらの世界に誘ったのよ」
「そうだったのか」
ここまで聞いてだ。多くの者が悟った。
「それで皆この世界に来てか」
「事情がわかった」
「そうなのか」
「つまりは」
「そう。そしてね」
「貴方達をこの世界に呼んだのは私達よ」
ここで話す二人だった。
「この世界を何とかする為にね」
「悪いけれど呼んだのよ」
「そういうことだったんだな」
「これで全てはわかったな」
「ええ、本当にね」
「全てのことだ」
双方の世界の者達がだ。話し合う。彼等はここに至り全ての事情を理解した。
そしてだ。そのうえでだった。
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