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八条学園騒動記

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第六百二十八話 冷気と風その十

「悪いことしないで暮らすなら」
「それならなのね」
「遊牧生活をしていても」
 それでもというのだ。
「豊かでなくてもね」
「それはそれで」
「いいでしょ、だからね」
「モンゴルではこれからも」
「遊牧をしてね」 
 そうした生活を営んでというのだ。
「楽しくね」
「暮らしていくのね」
「そうしていくわ。私も大学出たら」
「モンゴルに戻るの」
「それで草原でね」
「また暮らすのね」
「だから今もお家はないのよ」
 ゲルで暮らしているというのだ。
「お家で暮らすのもね」
「抵抗あるのね」
「私にとってはね」
 こう言うのだった。
「だからね」
「それもしないのね」
「そうなのよ、食べものもね」
「こうしてなのね」
「羊料理に乳製品それにお茶がメインでね」
「いいのね」
「他のものを食べようともね」 
 連合の実に多彩な料理をというのだ。
「思わないわ」
「そういうことね」
「それで充分幸せだから」
 そう考えるからだというのだ。
「もうね」
「それでいいのね」
「草原での生活でね」
「その無欲さいいわね」
「それで国としては発展遅れてるけれどね」
 あくまで連合の中で、である。そのモンゴルでもマウリアやエウロパから見れば驚くまでに発展している。
「無欲さってモンゴルの美徳よ」
「モンゴル人の」
「そしてモンゴルという国のね」
「美徳なのね」
「欲が深くて」
 そしてというのだ。
「あれが欲しいこれが欲しいよりもいいでしょ」
「そうした人もいるわね」
「特にマスコミのオーナーとかね」
「あの世界そうした人多いわよね」
「そうした人達よりもね」
 無欲な方がというのだ。
「だからね」
「モンゴルは無欲でいい」
「無欲でのどかでも暮らしていける」
「ならいいのね」
「それが今の草原で」 
 そしてというのだ。
「モンゴルよ」
「そういうことね」
「もう流石に世界帝国とか」
「そうした野心もなのね」
「あれも気付いたらだし」
「気付いたら?」
「モンゴル帝国の建国もね」
 今話しているこの国のこともというのだ。 
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