八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十八話 大晦日その六
「あったかくしてね」
「行くね」
「お蕎麦も食べてね」
「沢山食べていこうね」
僕は微笑んでこう提案した。
「そうしようね」
「その方が温かいからね」
「そう、温かいものを沢山食べたら」
それでだ。
「本当に凄く温まるから」
「そうすべきね」
「そうして温まって」
そのうえでだ。
「行こうね」
「そうしたらいいわね」
「僕もそのつもりだしね、個人的にはね」
香織さんにお蕎麦のことをさらに話した。
「山かけ、鴨なんば、天麩羅がね」
「好きなの」
「そうなんだ、熱いのだとね」
山かけは冷たい場合もあるのでちょっと外した、熱いお汁の中の山かけもあるけれど麺にそのままかけた場合もあるからだ。
「鴨なんばかね」
「天麩羅なのね」
「僕の好みはね」
「そうなのね」
「にしんもいいけれどね、あとはいからもね」
天かすを入れたそれもだ。
「好きだよ」
「はいからうどん、はいからそばね」
「関西じゃこう呼ぶからね」
「他の地域じゃたぬきうどん、たぬきそばよね」
「そう言う地域あるよね」
地域によってはだ。
「関東とかだね」
「ええ、あちらだとね」
「そうなんだよね、関西じゃたぬきうどんないしね」
はいからうどんになってだ。
「揚げを入れたお蕎麦はね」
「たぬきそばよね」
「それでたぬきうどんはないんだ」
関西ではだ。
「それできつねそばもね」
「ないわよね」
「他の地域じゃ揚げ入れたお蕎麦がね」
「きつねそばよね」
「そうなる地域もあるけれど」
実はこのことを把握するのに結構苦労した、関西にいるとどうしてもきつねそばとたぬきうどんはなくてはいからうどんとはいからそばがあるのだ。
「関西じゃそうだよ」
「そうよね」
「それでたぬきそばもね」
「好きなの」
「あとおかめそばもね」
こちらもだ。
「蒲鉾を入れた」
「それでおかめみたいな形にするのね」
「蒲鉾でね」
言うなら福笑いがちゃんと出来た様にだ。
「そっちも好きで山菜もね」
「あちらもあっさりして美味しいわね」
「だからこちらも好きで」
「好きなお蕎麦多いわね」
「どっちかっていうとおうどん派だけれど」
関西の多くの人がそうである様にだ。
「僕はお蕎麦も食べられるから」
「それでなのね」
「温かいお蕎麦はこうしたのが好きだよ」
「じゃあざるとかせいろは」
「夏はそっちだよ」
暑い時はだ。
「お素麺の方をよく食べるかも知れないけれどね」
「関西お素麺も有名よね」
「奈良の三輪が名産だからね」
奈良県桜井市だ、実はここには三輪大社や長谷寺といった有名な神社やお寺がある、そして天理教のかなり大きな大教会もある。
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