恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百七話 曹操、司馬尉に詰め寄るのことその三
「史書には時々あるけれどね」
「何か。楽しんでいる感じですね」
張勲も今は笑顔でなくだ。
こうだ。その事実を言うのだった。
「殺戮を」
「その女がよからぬことを考えている」
「明らかに危険ですね」
「都に戻れば勝負よ」
孫策は今は剣を抜いていない。しかしだ。
剣を構えだ。そして言うのだった。
「いいわね、都に戻ってからが本番よ」
「ええ、わかっています姉様」
「あの女許さないんだから」
孫策の後ろでそれぞれ馬、白虎に乗る孫権と孫尚香が応える。
「妖しげな策謀もこれで、です」
「終わりになるのね」
「帝の御前での詰問かのう」
袁術も言う。
「そうして申し開きができぬ様にしてからじゃな」
「そういう手筈になっているわ」
「もう決まっておるのか?」
「袁紹と曹操がね」
この二人の名を出してだ。孫策は話す。
「もう決めてるわよ」
「姉様達がか。相変わらず早いのう」
「けれどそれでいいでしょ」
「というよりそれしかないであろうな」
袁術は首を捻りながら述べる。
「司馬尉を追い詰めるには」
「そもそも司馬尉の家自体もね」
孫策はここでこんなことも言った。
「どうした家なのかよくわかっていないし」
「ですね。そういえば」
言われてだ。張勲も頷く。そのうえで述べる彼女だった。
「名門であることは確かですけれど」
「そのはじまりを知る者はいないわよね」
「そうした家もあまりありませんね」
孫権もだ。そのことには不審なものを感じて述べる。
「大抵は何かしらのルーツがはっきりしていますから」
「はじまりがわからない家というのも怪しいわね」
孫尚香から見てもだ。そのことはだった。
「一体どういう家なのかしらね」
「その辺りもわかればいいですね」
孫権は妹の話を聞いたうえで姉に話した。
「司馬氏自体のことも」
「ええ、そう思うわ」
そうした話をしながらだった。一同は都に戻る。その中でだ。
ナコルルは都の方を見てだ。怪訝な顔になっていた。その彼女を見てだ。
ミナがだ。こう言った。
「感じるのね」
「はい、邪な気が高まっています」
「でjはやっぱり司馬尉は」
「間違いないと思います」
ナコルルはその怪訝な顔で話す。
「妖人です」
「あの羅将神ミヅキをも超える」
「この国、いえこの世界を全て覆う様な」
まさにだ。そこまでだというのだ。
「そうした方です」
「危ういわね」
ミヅキはこうも言った。
「その彼女と対峙するとなると」
「劉備さんがですね」
「私達も行くべきね」
そしてだ。ミナはここでこう言った。
「尋常ではない力の持ち主なら」
「そうですね。ただ」
「ええ、彼等はいないわね」
こんなことも話す二人だった。都にそうしたものも感じてのやり取りだった。
「アンブロジアやオロチは」
「他の地に去ってしまった様ですね」
「他の地。それは何処か」
「おそらくこの世ではないでしょう」
ナコルルはそう見ておりだ。実際に言った。
「何処かはわかりませんが」
「彼等の潜む場所といえば」
ミナは探った。そうしての言葉だった。
「闇の中かしら」
「そこでしょうか」
「闇の中ならどうしようもないわね」
「そうですね。私達の決して行けない世界ですから」
「それなら。封じる場所は」
何処か。二人で考えていく。
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